したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

905名無しさん:2016/06/03(金) 16:14:28
□ □ □ □ □ □

どうしようもなかった、というのが正しいところだ。
そもそも内向的な性質で、人の輪に入るのが苦手だった堂土と、負けん気の強い増田が、
大人しくマスゲームに参加するはずがなかった。「いっそ、ここで出世したるのもええな」と
増田は冗談を言ったが、実行するはずがないという事もまた、堂土は知っている。
そして、物語は一ヶ月目に転を迎える。

「堂土くん、堂土くん」
増田は袖を引っぱって、あたりをきょろきょろ見回した。
「どないした」
「俺、すごい事聞いてもた。明日、黒が総攻撃かけるんやって」
「どこに」
堂土は静かに聞こうと心がけたが、内心焦っていた。吉本でなければいい、と願う。
よく知った相手と刃を交えるのは辛すぎる。しかし、増田の口から出たのは「NGK」の三文字だった。
「NGK…って、人通りも多いし、目立つやろ。…あ、結界でも張ってまえば見えへんか」
「あっこでな、11期が合同ライブやるから。客が入る前に――」
「待て待て待て、んな事したらライブ中止やん。吉本が大赤字や!それに、NGKのハコはどないなんねん」
「関係ないやろ。黒にとっては」
あまりにも的を射た答えに、堂土はぐらりときた。
しかも、まさかの11期。その中には当然ハリガネも入っているだろうし…犬猿の仲であるあの男も、
歯に衣着せないあのコンビもいるだろう。

(――俺ら、呼ばれてへんかったな)

堂土はほんの一瞬だけ、聞かなかった事にしようと思った。くるりときびすを返して歩いていく。
11期の奴らだけでどうにか対処できるだろうし、わざわざ自分達が出て行かずとも――。

『これでやっと、友達に戻れるな』

その時、かつて自分が放った言葉が頭に響く。
「友達……」
堂土はぴた、と足を止めて振り返った。
増田はまだそこにいて、堂土の出方を待っている。すでにボーダーラインは超えているかもしれない。
そもそも誠実な大上に、そして合理的かつストイックな松口に。合わす顔がないのは百も承知。これが
せめてもの償いになればと、偽善に近い感情を抱く。
「増田」
堂土は震える手で、ネクタイをキュッとしめ直す。
「助けに行こうや」
これが、ルート33の道を決定した。

■ ■ ■ ■ ■ ■


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板