[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
900
:
名無しさん
:2016/05/26(木) 21:15:23
それが見えた瞬間、背後で「うわあああっ!?」と悲鳴があがる。
反射的に振り返った柳原は、信じられない光景に大きく目を見開く。
ペンキで塗られたばかりの滑り台が、揺れていた。その原因が、地面に突き刺さった支柱に
『ピシッ』と入った亀裂だと気づくのに、柳原は若干のタイムラグを要する。
照準の『Destiny』が『Loading…』に変わり、やがてパアッと光を放って
『COMPLETE!』になった。同時に支柱がポキッと折れて、井戸田の足場が崩落していく。
井戸田は空中でぎゅっと拳を握りこみ、叫んだ。
「くそっ、"こんな欠陥遊具に乗って落っこちるなんて、アタシ認めないよ!"」
その言霊で、砂埃を上げて崩れて行く滑り台の部品たちは、みるみるうちに詰みあがって元の形を取り戻す。
「た、助かった……あれ?」
おかしい。
この程度の時間遡行でなぜここまでパワーを消費している?
荒い息をついて、うずくまる井戸田を、増田は下唇を軽く噛んで見上げた。
「世界線を飛び越えたら、そら燃費もえらいことになるわな」
「……何が、言いたいん、で、すかっ…」
増田は両手を広げて、指先でポチッ、とステータス画面をなぞって、井戸田に見えるように裏返す。
「ほら、見てみ?その滑り台に、こんだけの平行世界が繋がっとる」
滑り降りた井戸田は、画面を凝視する。真ん中の『○○公園滑り台』から、マップのようにラインが伸びて、
様々なボタンに繋がっていた。
「"トラックが突っこんでひしゃげる"とか"樹が倒れてきて潰れる"とか。
俺が今選んだんはこれ、"業者の点検ミスで崩れる"この世界な、ここと分岐が近いとこにあってん。
おかげで対価も軽くて済みそうや」
話し続ける増田の頭上に、根元から折れた樹木がメリメリと倒れてくる。
「危ない!」
平井は素早くツルを伸ばし、あと3cmのところまで迫っていた樹の幹に巻きつけ止めた。
その隙を突いて、シャアッと空を切ったネクタイの前に、イロハモミジの樹を出現させて盾にする。
低木のモミジは一瞬で切断されて、バラバラと地面に落ちた。
「おー、ありがとな平井」
増田は軽くお礼を言って、再び井戸田に向き直った。
「平行世界……と、この世界を繋げる?いや、違う。"入れ替える"?」
「正解!お前すごいなあ、こんだけのヒントで俺の能力当てるなんて、宇治原並みやで」
褒めてるのかけなしてるのか分からない人名を出して、増田は心底嬉しそうに笑う。
「"パラレルワールドとこの世界の因果律を入れ替える"それが俺の能力や。
俺はあらゆる世界線を飛び越えて、思い通りの"現在"をカスタマイズできる。……その気になれば、な」
増田はどこか誇らしげに、腰に手を当てる。
「そんな強い能力を持ってて、どうして黒なんかに…」
井戸田の問いには、なぜか「そんなん、お前らに関係ないやろ」と噛みついた。
その態度に井戸田が違和感を覚えるより早く、柳原の目が増田を射抜く。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板