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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
895
:
名無しさん
:2016/05/10(火) 19:34:17
カカカカカッ、と息もつかせぬ攻防。床に座りこんだ矢作は呆然とそれを見ていた。
ネクタイが小木の頬を叩けば、小木は拳で切っ先を追いかけ、堂土の方へ弾き返す。
「……くっ!」
堂土は、動きを止めようと伸びた小木の手を、体をひねって避ける。
攻撃のために繰り出されたネクタイが、一瞬にして軌道を変えた。
向かう先は、エレベーターのそばにいた増田――。
「しまった!」
小木は振り向き加減に叫んだ。同時に、どうして捕まえといてくれなかったと矢作に地団太を踏む。
攻撃手である堂土に集中するあまり、もう一人を戦力外へと追いやってしまった。
増田の能力では何も出来ないとたかをくくっていたが、ルートの二人の目的は、この場からの脱出であり、
おぎやはぎの打倒ではない――。
ネクタイはしゅるっ、と増田の胴体に巻きついた。
「ほな、さいなら」
堂土は、開きっぱなしの廊下の窓に足をかけ、飛び降りる。
同時に、何メートルにも伸びていたネクタイが、しゅるるる、と掃除機のコードのように縮んでいった。
「あっ……!」
小木が立ち上がると、止めようとした手を、すぐそばまで来ていた増田の足が『ガッ』と押すように蹴り飛ばす。
その反動で、増田の体は窓の外へ飛び出した。瞬間、胴体に巻きついていたネクタイがするっと解ける。
地面すれすれまで落ちていた堂土は、空中で増田を受け止めると、再びシュルッと射出した。
ネクタイの先を電柱に巻きつけると、高速で巻き取る。ビルの谷間に消える刹那、
堂土は一瞬だけ、ちらっとこちらを見たが、あっという間に見えなくなった。
「……ルパンって、現実にいたんだ」
矢作はぽつり、と呟いた。
「でもさ、結局増田さんの能力、分からずじまいだったね」
小木が言うと、「そうなんだよなー」と矢作が肩を落とす。
□ □ □ □ □ □
「あいつらの能力は……分からん」
まるで新喜劇のように、松口をのぞく全員がずっこけた。
「ま、松口さんっ、ここまで引っ張って、それですか!?」
テーブルをバンッと叩いた井戸田に、「あー、堂土の方は知っとるんやけど、増田の方がな」と悪びれずに言う松口。
「中川家のお兄ちゃんが、ルートとぶち当たった事があるらしいんや。……まだ、大阪におった頃のな。
ほんだらいきなり、近くに停まっとったトラックが動き出して、剛のすぐそばにドーン!や」
「えっ、えっ!?」
「もちろん、そのトラックに人なんか乗ってへんかった。あと2ミリずれとったら、
剛は頭粉々に砕け取ったらしいで。ほんで、剛が腰抜かしとる間に、堂土は増田連れてトンズラしよってん。
増田の石の反応は確かにあったらしい。せやけど」
松口はごく、とつばを飲みこんで続ける。
「増田がどないしてそのトラックを動かしたか、そこまでは分からんかった。
ほんで、剛以外は誰も、増田が石を使うた所を見とらん」
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