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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
867
:
Evie
◆XksB4AwhxU
:2015/12/16(水) 15:57:05
『Irony of the fate-2-』
円形に貼りつけられた壁一面の写真から、一つずつバツ印が消えていく。
設楽はまたバツのついた写真を一枚『ペリッ』と剥がして、新しい写真と入れ替えた。後ろでペンを回しながらノートと睨めっこしていた
小林は、思考を無遠慮に中断したその音に顔を上げて眉をしかめる。設楽は「ごめん」とまるで心のこもっていない謝罪をして手を合わせた。
「正直、あいつがここまで出来る子だとは思わなかったよ」
真ん中の写真をとんとん、と指の関節で叩いて笑う。
「……彼は密偵として働くはずでしたが」
「そのはずだったんだけどね。潰す方が楽しいみたいで」
設楽は小林と向い合って座ると、「んー」と伸びをした。肩の上で組んでいた指を解いて、感情の読めない目でじっ、と小林を見つめる。
「あるいは、嫉妬かも」
文脈から全く繋がらない言葉に、小林は「はい?」と聞き返す。
「いや、あいつらってさ。分かりやすく仲いいって感じじゃないんだよ。普段から遊んだりとか、そういうのじゃないけど、
なんか信頼し合ってるっていうの?そういうのがなんか腹たったのかもね。俺はといえば、日村に隠し事ばっかりしてる。
裏を返せば俺は孤独だ。でも石塚は、石井に守ってもらえる。信じてもらえる。なんで同期なのに、あいつだけ……って」
小林はノートを閉じて、次の言葉を待った。
「……どうかな。そう思ったことも、あったかもしれないね」
扉を蹴破って転がり込んできた吉田が口を開く前に、井戸田は蝶番の外れてぶら下がった扉を指さして、「修理代」と手のひらを差しだした。
吉田は荒い呼吸を整えながら、財布から千円札を取り出しテーブルにバンッと叩きつける。
そのまま「まあ一旦落ち着いて」とパイプ椅子を出していた小沢にずかずかと歩みよって、状況を呑みこめていない小沢を睨みつけた。
「石塚の居場所、教えろ」
吉田の強い目線に押されて、小沢はう、とたじろいだ。助けを求めるように相方を見ると、井戸田はやれやれ、と肩をすくめる。
「おい、せめて理由を言え、理由を」
井戸田がとりなすと、吉田はため息をついて「すまん。確かに急やった」と謝った。
「あんな、小杉が……消えてもうてん」
「ケータイは?」
「繋がらん。大家に合鍵で開けてもろたんやけど、家はもぬけの殻や。石塚の奴、お前らが取り逃がしてから吹っ切れたんか知らんけど、
えらい派手に暴れ回っとるやろ。俺らの可愛がっとる後輩もそれでやられて、小杉がとうとうキレてな。サシで話つけに行く言うとったんや」
取り逃がして、の所に力をこめて、じろりと睨みつける。井戸田は降参だ、というように両手を挙げた。
そこで、こっそり聞き耳をたてていた土谷が「あの……」と申し訳無さそうな声をかけてくる。
「岡安も、いないんですけど……」
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