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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
835
:
Evie
◆XksB4AwhxU
:2015/11/18(水) 22:25:59
「うっ……ぐす、う……」
石塚は家に帰り着くなり、ベッドに倒れこんで声を上げて泣いた。足をばたつかせて枕を殴る。
そうしているうちに、段々気持ちも落ち着いてくる。起き上がってケータイを開くと、石井の番号をダイヤルしようとして、やめた。
「深沢さん……」
ぐしゃ、と髪の毛をかきまぜて思い出す。
黒の欠片に引っぱられて、深沢を襲っている間。石塚もすぐ後ろからそれを見ていた。自分の意思に反して動く体と、
次々に放たれる罵詈雑言。何度もやめろ、と叫んだ。だが、体の主導権を取り戻した時目に飛び込んできたのは、
地面に力なく倒れる深沢と、それを呆然と見つめる阿部だった。どうやら石塚が遅いので心配して戻ってきたらしく、
深沢と石塚を見くらべて、ブラッドストーンを握りしめる。
『これ……石塚さん、やったんですか』
『……わかんない』
『分かんないって……』
阿部は膝をついて、深沢の体にそっと触れた。傷をひい、ふう、みいと数えて、少し迷ったように視線を彷徨わせたが、
やがてため息をついて手をかざす。阿部の手から丸みを帯びた光が放たれ、深沢の傷が少しずつ塞がっていく。
『なあ、たしかお前の石って』
『いいんです。俺がやりたくてやってるんですから』
傷を癒やした後、それと同じだけの痛みを負うことは聞いていたが、阿部は首を横に振って続く言葉を許さなかった。
『……お互い、息苦しいですね』
ぽつり、と独り言のように放たれた言葉。背中を向けているせいで、阿部の顔は見えなかった。
『石塚さんは、黒に捕まる前の自分に戻りたいって思ったことあります?』
石塚が答える前に、『俺たちは何回もあります』と続ける。
『でも、きっと黒から逃げられても……元通りなんてありえないんでしょうね』
その言葉は、深く石塚の胸に突き刺さった。
翌日。
誰もいない楽屋に置きっぱなしだった小沢の携帯電話が、着信音を響かせて震える。
やがて、ピーッと音が鳴って留守電に切り替わった。
『もしもし、俺、小杉やけど……大事な話があんねん、今日ちょっと会えんか?
電話ではちょっと言えへん話でな。仕事終わった後でええから、返事くれや、ほな』
またピーッと発信音が鳴って、メッセージは終わった。やがて、トイレから戻ってきた小沢は、
ケータイのライトが点灯しているのを見てとりあげる。
「……なんか、嫌な予感する」
小沢は頭を振って、こんこんと拳で軽く額を叩く。自分に活を入れると、思い切って留守電の再生ボタンを押した。
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