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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
825
:
Evie
◆XksB4AwhxU
:2015/11/14(土) 21:45:04
今しかいいタイミングはないだろうと思うので、
森脇さん復帰の記事見て息抜きに書き殴った、元猿岩石の短い文を投下してみます。
私しか喜んでないのかもしれないと思いつつ。そして例によって時系列はガン無視状態。多分続かない。
『Roadless road』
廊下の角を曲がったところで、懐かしい顔に突き当たった。
一見すると普通のサラリーマンにしか見えないような平凡な顔の、だが6歳の頃から見ているせいで
すっかり覚えてしまった風貌の男。彼は行き違うスタッフを流れるように避けて、有吉の方に歩いてくる。
すれ違ったところで、無視して通りすぎようとした有吉の手首をつかみ、自分の方へ引きよせた。
「……お前とは、火事と葬式以外は不干渉って決めてんだよ」
最初に出た言葉はひさしぶり、でも元気か、でもない憎まれ口。
「村八分かよ!せめてそこに年賀状くらいは入れろよ!まあ、俺もそのほうが自然な形だと思うけどな」
森脇は顔の下半分だけを笑顔にして「はははっ」と心のこもっていない笑い声を聞かせた。
「お前がこの後次の収録まで20分の休憩があるのは調査済み。ついでに、今夜は予定がないのも知ってる。
独身貴族のお前に帰りを待つ家族なんていないだろ?だったらさ」
自販機横のゴミ箱に腰を下ろして、足先を軽く組ませる。貼りついたような笑顔を崩さないまま、森脇は続けた。
「俺と思い出話する時間くらいあんだろ?」
「……お前とお喋りなんかしたって」
やっぱり行ってしまおう。そう思って歩き出した有吉の体は、次に弾き出された一言で、根が生えたように止まった。
「忘れ物、とりにきた」
振り返ると、森脇は自販機のボタンを戯れにいじりながら、じっと有吉を見つめている。
「……俺か?」
とりあえず、一緒にいた頃のようにボケてみた。全くウケずにダメ出しばかり貰っていた過去は棚に上げて。
「かっこよく言うんだったら、失われた半身、ってやつ?」
森脇が立ち上がり、また近づいてくる。有吉が半歩離れれば、それにかぶせるように一歩、一歩と距離を詰めてくる。
気がつくと、背中に壁がついていた。有吉の顔のすぐ近くに森脇の拳が叩きつけられる。大きな音がして、思わず体が跳ねた。
ああ、これが最近流行りのの壁ドンってやつかと考える間もなく、詰問が始まる。
「まだ、持ってんだろ?俺がお前にやった“身元保証書”」
「あれを取り返してどうする気だよ。お前もう芸人じゃねえんだぞ、どうせ使えねえだろ」
「使えるか使えないか、そういう問題じゃねえんだな、これが。
……真鍮に新しい持ち主が出てないのも知ってる」
「どうやって調べたんだ」
「分かるんだよ、どんなに隠してたって、真実が分かれば後は俺の領域だ。忘れたとは言わせねえかんな」
「勝手に一抜けしたのはお前だろ!」
予想に反して、森脇はひるまなかった。代わりに笑みを消して、失望したような表情になる。
「あの真鍮だって……俺がいなけりゃ、ただの石ころだったじゃねえか」
「お前にあいつの何が分かんだよ!!」
まるで恋人を嘲られた男のように叫んだ後、大声で人が来るとまずいのか、はっと口元に手を当てて有吉から離れる。
「……バカじゃねえの、お前まだ真鍮のこと」
「あのまま俺が持ってたって、いつかは手放すことになってたとは思う。
でも、あそこであいつを離すべきじゃなかった」
今度は森脇のほうが背中を向ける番だった。壁からゆっくりと離れた有吉に、顔だけ向けて忘れていたように聞く。
「お前、イーグルアイの声……聞いたことあっか」
「いや」
「じゃあ、俺の勝ちだ」
わけの分からない捨てぜりふを残して、今度は軽やかな足どりで去っていく。有吉は元相方の背中を見送って首をひねった。
「あいつ、何する気だ?」
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