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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
793
:
Evie
◆XksB4AwhxU
:2015/07/07(火) 20:18:46
「水晶をすり潰した粉とか、そのまんまじゃ商品にならねえ欠片とか、粗悪なガラスとかをさ、
溶かして混ぜて固めた偽物の輝き。それが熔錬水晶ってやつだ。
モース硬度7の水晶サマには美しさも頑丈さも及ばねえんだよ」
男は、そこで初めて自分の鼻先に突きつけられた消火器のノズルを見た。
「お前も芸人だって言うならよ、ガラクタのまんまで終わってんじゃねえ」
こんなショボい石じゃなくて、本物貰えるくらいの芸人になれよ、と付けくわえて、にったあ……と悪い笑みを浮かべる有田。
「(あいつ、死んだな)」
上田は心中で合掌した。有田があの邪悪な笑みを浮かべる時は本気でヤバい。
反論しようと口を開いた男に構わず、有田の指がレバーにかかる。カチッと小気味いい音がしたかと思うと、ノズルから勢い良く噴き出す真っ白な霧。
「う、うわっ……なんだ、冷たっ……!」
剣を取り落としてわたわたと暴れる男の影が、霧の中でぼんやりと揺らいで見えた。有田はすうっと息を吸い込んで、踵で強く地面を蹴る。
大きく振りかぶった拳を、男の頬に叩きこんだ。
「先輩からの愛のムチだ、受け取れ馬鹿野郎!」
男は今度こそぱったりと地面に倒れ沈黙する。有田は得意気に胸を張ると、拳を解いて振り返った。
「……おい」
「あ、わりいなほっといちまって。大丈夫か?痕にはなってねえな」
「ちげえよ、後ろ後ろ」
「あ?」
しゃがみこんで上田の容態を確かめていた有田が、ギギギッと油を挿していないロボットのような動きで振り向く。
ゆっくりとドアノブが回り、会議室や給湯室からぞろぞろと群れをなして出てくる人々。
皆一様に光のない瞳で、手にはホウキや椅子など、思い思いの凶器を持って幽鬼のようなおぼつかない足取りで近づいてくる。
「……どうも、お騒がせしてまーす……」
有田がやっと出した声はひどくかすれていた。
上田も体を起こして、ははは……と声にならない笑い声をあげる。所詮素人だらけのインスタントな悪の組織と高をくくっていたが、
黒ユニットもここ10年で「緻密な作戦をたてる」ということを覚えたらしい。
考えてみれば、これだけ派手にドンパチしておいて、非常ベル一つ鳴らなかったのがおかしい。
下の警備員がぼんやりしていたのも、意識が何者かによって操作されていたと考えれば辻褄が合う。
「う、上田さん……俺丸腰なんですけど!!死ぬ、今回ばかりは確実に死ぬう!!」
床に転がった鍛冶が真っ青になる。上田は彼らを見つめたまま、叫ぶ鍛冶を引っぱってじりじりと後ろに下がった。
「やべえな有田」
「やばいな上田」
「お前の石でどうにかなんねえか?」
「素人相手に怪我させちゃ洒落になんねえよ!ていうか何に変身すりゃいいわけ!?それよりこいつらに弱点とかあんの!?」
疑問を一気に言い切った有田。強いて言うなら首か目だろうが、どちらも突いたら確実に死ぬ部位だ。
群れの中から走り出てきたスーツの男が、ホウキを振り上げた。
「あっぶね!」
有田は脳天を狙ってきたそれを、Go!皆川に負けずとも劣らないほど美しいブリッジで避ける。が、アラフォーの腰にはきつかったのか、
グキッと音がして、「いってえ!」とその場に転がった。そこで、眠ったままの木村が目に入る。
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