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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
786
:
Evie
◆XksB4AwhxU
:2015/06/19(金) 21:32:12
やっとこさ回想が終わりました。対馬さんの詳細などはほとんど決めていないので、
書きたいという方にお任せしてしまいたいと思います。
『We fake myself,can't run away from there-7-』
____________________________________
俺たちがなくしたものは、諦めたものはどれだけあるだろうか。
たとえば思い出のたくさんつまった家、せっかく入った大学、それから、それから……
失った多くのものの代わりに、より大きなものを得るために、走り続けてきた。だが、俺たちは一体何が欲しかったんだろうか?
芸人になって、なんとか飯も食べれて、仲間や頼りがいのある先輩に囲まれて……それで、他に何を望んでいたのか。
だから、走る。対馬が、その答えを持っているような気がして。
「はあ、はあ……ちょ、休憩……」
「歩きながら休め!」
音を上げそうになる有田を叱咤して、上田も汗をふきふき走る。
やがて、きらびやかにライトアップされたレインボーブリッジに辿り着いた。芝浦側の入り口は照明も落とされて、ゲートは堅く閉ざされている。
現在時刻、午後21時ちょうど。通行時間はとっくに過ぎていた。
「……いまさら、不法侵入くらい構いやしねえだろ」
上田は財布から通行料の300円だけを取り出すと、料金所のカウンターに無造作に放る。
硬貨がテーブルの上でぶつかり合う音が、やけに大きく響いた。そのままさっさと歩き出す上田に、慌てて有田も300円を置いて追いかける。
風がかすかに吹き込んでくる音に顔を上げると、上田が「あれだ」とゲートを指さす。
上田が手をかけて押すと、あっさり開いた。無人のカウンターに頭を下げて、ゲートをくぐった。
展望エレベーターで遊歩道に上がると、左と右にルートが分かれている。直感で、右の北ルートを選んだ。
「……人、いねえな」
「だな」
実に当たり前のことを言う上田に、少し気が和んだ。長い遊歩道を歩いている間、すれ違う車の運転手がたまにこちらを二度見してくるが、
それ以外は誰かが追ってくる気配もなく、やがて休憩所に着いた。展望台を兼ねた休憩所にはすでに先客が一人。
後ろ手に指を組んで、夜景を眺めている小柄な背中に、忘れかけていた疲労がどっと押しよせてくる。有田は対馬の肩を掴んで引き寄せた。
「俺らに、運び屋みてえなことさせて……オメーは呑気に夜景鑑賞、かよっ……」
「いや、今日は特別綺麗なんですよ。ほら」
レインボークォーツを対馬に押しつけると、二人も渋々隣に立って夜景を眺めた。
対馬の真似をして深呼吸したり、雨が止んだおかげで凪いだ海を見ているうちに、段々と気分が落ち着いてくる。
「黒はもう来ませんよ」
「え?」
「今頃は大阪の二丁目劇場と、渋谷の宇田川町あたりで、白の芸人との大規模な戦闘が起こってるはずです。
さすがの黒もそっちの火消しが忙しいでしょうし、俺の追跡に人員を回す余裕はありませんよ」
「じゃあ、俺達に石を渡してマラソンさせたのは、白の芸人が着くまでの時間稼ぎってわけか!?」
有田が素っ頓狂な声をあげると、「そうです」と悪びれもせず笑う。もう怒る気も失せた二人は、静かに海を眺める事にした。
今頃は、あの夜景の向こうで人知れず白と黒が刃を交えているのか。おそらく『ドッキリの撮影』として処理されるのだろうが。
やがて、上田が重い口を開く。
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