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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
782
:
Evie
◆XksB4AwhxU
:2015/06/06(土) 15:45:33
『We fake myself,can't run away from there-6-』
___________________________
いつの間にか降りだした雨が、二人の肩を濡らしている。
髪からは雫が滴り、舞台衣装のスーツは水を吸って鎧のように重い。ここ一週間で最も憂鬱な気分だ。
おまけに、目の前にとても一般人とは思えない殺気をまとった後輩芸人が立っているとしたら。
これ以上気が沈む事なんてあるのだろうか。
「対馬はどこに?あいつの目的は?レインボークォーツを渡す気は?黒を裏切った理由は?」
土田は指を一本ずつ折り曲げて、矢継ぎ早に質問をぶつけた。
こちらに思考する暇を与えないことで追いつめる、尋問の常套手段だ。
「知らない。聞いてない。渡す気はない。それと、最後は俺らにも分かんねえ」
「……分からない?」
「ただ、対馬のおかげで謎がひとつ解けた。
……俺たち、やっぱり悪役、向いてないみたいだ」
にへら、と笑った有田。人間には、笑顔の相手を攻撃できないという本能があるなんて言った戦場カメラマンがいたが、
この光景を見たら速攻で撤回するに違いない。土田の殺気は大きく膨れ上がり、街路樹の葉や地面、ベンチに至るまで
殺気にあてられて震えているようだ。気づくと、上田の口はからからに乾いていた。頬を冷や汗が滴り落ちる。
土田に気圧されて一歩、また一歩と後ずさるが、有田はそれにも負けずに土田をまっすぐ見つめている。
「それくらいにしておきませんか。……俺にもあまり時間はない」
土田は喉元に巻いていたマフラーの結び目に指をかけ、するりと外した。
「……だな」
有田も頷き、ベルトに差し込んでいた拳銃を抜き出す。
ガラスで出来ているのか、透明な中に脆くも美しいプリズムを内包した、小ぶりの拳銃。
銃口を向けられた土田は、臆さずゆっくりと口を開いた。上田がとっさに耳を塞ぎしゃがみ込むのと同時に、
引き金に指がかかる。
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