したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

776Evie ◆XksB4AwhxU:2015/05/20(水) 18:14:31

『We fake myself,can't run away from there-5-』
________________

【過去】

芸能界は、時間厳守だ。
収録に遅れた不届き者にはドッキリを仕掛け、トロいスタッフには鉄拳制裁が下る。
いっそ寝起きで遅刻というならこちらも楽なのだが、石がらみというと、そうも行かず。

「……テメエらの事情を、100文字以内で簡潔に説明しやがれ」

太田光は、こめかみにぴくぴくと青筋をたてた。
「キックさんが起きないんです!昨日海砂利と戦ってる最中に、いきなり石とのリンクが切れて……
 いつもなら僕が動けるようになったら起きるのに、もう丸1日寝っぱなしなんです……」
加賀谷は話しながらも鼻をすすって、下を向いた。
嵯峨根がよしよしと背中をさすってやると、相方にしがみついておーんと声を上げて泣き出す。

「対価が石の使用量を上回ってる……てことか?
 お前らの石は共鳴してるから、対価の量も2人で均等なはずだよな」
田中は屈んで、布団に仰向けに寝かされた松本の耳元で、小道具のタンバリンを打ち鳴らした。
普通なら身じろぐところだが、死体のように眠った松本は眉ひとつ動かさず、規則的な寝息をたてている。
「加賀谷、お前最後にオフ貰ったのいつだ?」
「え?そ、それなんか関係あるんですか?」
「いいから答えろ。いつだ?」
「えーと、たしか一ヶ月ぐらい前……ですかね。一日まるまる貰ったのは」
田中はしばらく考えて、合点がいったように手を叩いた。
「お前らの石は体力系だろ?加賀谷の体力が削れてる分、対価のバランスが松本に傾いてるとしか思えねえ。
 まあ、石のことなんてほとんど未知の世界だし、ただの予想だけどな」
隣で寝ていた西尾も、その言葉に同意する。
「俺らかて、何や知らんけど2、3日石が使えんようになるとかありますし。
 息しとるんやったら心配はいらん言うとるのに、
 加賀谷がこのとおりで……嵯峨根、もっと上!」
「ここか?」
「ちゃう、もっと右!あー、ちょいずれた!もう1、2cmくらい左!」
うるさく注文をつける相方に、嵯峨根はムッとした顔でサロンパスの封を破る。
うつぶせた西尾の背中に乱暴に叩きつけ、ぷいっとそっぽを向いた。
「タクシー捕まえてもらったんですけど、僕アタマがこんがらがっちゃって、
道案内できなくて……結局、昨日は局に泊まったんです」
「あー、たしかにテレビ局なら安全だし、寝床も風呂もあるしな」
田中は納得したように、4人分の布団と食べかけのコンビニ弁当を見た。
しかし、事情を呑みこんだはずの太田は、バンッとテーブルに手をついて4人を睨みつける。
怒りをこめた視線に間近で射抜かれるだけで、西尾は怯えた犬のように目をぱちぱちさせた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板