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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
768
:
Evie
◆XksB4AwhxU
:2015/05/06(水) 22:42:12
【現在】
「おう…また新たな登場人物が……」
「鍛冶、ちゃんとついてこれてるか?」
頭を抑えてくらくらする鍛冶。
上田のポケットの中のスマホがかすかに震えた。取り出すと、さっきメールで呼び出した有田が「今行く!」と
タクシーの絵文字つきで返事を送ってきていた。
「有田さんまで呼んだんですか?…なんか、すいません」
木村がスマホの画面を覗きこんで、申し訳無さそうに眉をよせる。
「あー、いいんだ。あいつどうせ今日暇だし。
別にお前らの石を捨ててもいいんだけどよ、野良石にするには結構危ねえだろ?有田の意見も聞こうと思って」
「あ、そういや俺ら顔パスで入れますけど…上田さん大丈夫ですかね」
木村が入り口の警備員室を指さす。
まさかこの有名司会者の名前を知らないはずはなかろうが、一応窓口から身を乗り出して名乗った。
「くりぃむしちゅ〜の上田だ。ちょっと用があるんだが、いいか?」
警備員はぼんやりと宙を見つめて、「どうぞ」と入り口を指し示した。
「なんだあいつ、ぼんやりしやがって……時給泥棒じゃねえか」
「まあまあ、たぶん疲れてるんですよ」
鍛冶がなだめるが、気が収まらない。帰り際に、勤務態度について説教してやろうと心に誓う。
エレベーターのボタンには『故障中』のはりがみがあった。
空いている会議室を使って今後の相談をすることにして、階段をのぼる。
二階に上がる踊り場で、隣の鍛冶が急に震え始めた。後ろを歩く相方に振り向いた。
歯がガチガチ鳴っている。
「木村、なんか……寒くない?」
「……確かに、寒いな……急にひんやりしてきたというか……」
一段のぼるごとに、ぴりぴりと刺すような痛みが肌に伝わる。上田は階段の先を見上げて唇を噛んだ。
「こりゃ冷気じゃねえ、殺気だ。
気をつけろ……上に石持ちがいるぞ」
「え?」
聞き返してきた鍛冶を押しのけて、一気に二階へ駆け上がる。
廊下へと続くドアを開け放つと、思わず耳をふさぎたくなるような鋭い音と共に、上田のすぐ近くの壁に穴が空いた。
命中していたら間違いなく耳たぶが吹っ飛んでいただろう。
「あっれ……外しちゃったかあ」
「だらしねえな、次俺にやらしとけよ」
たった今の殺人未遂に罪の意識はないのか、淡々と話し合う二人の若い男。
最近の若者らしいラフな服装に不釣り合いな、体の半分ほどもある大剣をたずさえ、気味の悪い笑みを浮かべている。
「話には聞いたことがある……あの石、黒が下っ端どもに持たせてる量産型の石だ」
「石?でもあれ……」
「石そのもののパワーが弱えからな、あの通り石との適合率が低いやつでも使える。
ただ……」
上田はそこで言葉を濁した。
木村はその先を聞くのを後回しにして、自分の石を取り出す。
「さくらんぼブービーのお二人さあん、
その石いらないんなら、俺たちにくれません?」
背の高い方が、剣の切っ先をこちらへ向けて呼びかけた。
喫茶店で話を聞いていて先回りしたのか、どうやら解散することまで知っているらしい。
「タダで黒に石渡すぐらいなら、ジュエリーショップに売ってやるよ。なあ鍛冶」
「うん!」
「……てわけで、とっととそこどいてくんねえ?」
上田が言葉を繋ぐと、若手の二人は明らかに苛立ったようで、大剣を振りかぶり走ってきた。
「……カッコいい台詞言った後でなんだけど、後お前らに任すわ」
「了解です、これがラストになればいいんですけどね……あれ、鍛冶くんじゃない?」
「うん!!」
発動のための言霊に、元気よく鍛冶が手を挙げる。
一歩下がった上田に背を向けて飛び込んでいく姿に、過去の相方が重なった。
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