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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
764
:
Evie
◆XksB4AwhxU
:2015/05/06(水) 18:43:40
後から誤字に気づくことほど辛いことはありません。
最初の投下で短編と書きましたが、予想以上に長くなりそうです。
『We fake myself can't run away from there-4-』
_____________________________
上田と別れて、どうやって家に帰ったのか覚えていない。
石化が解けた後、心配する上田を突き放して、なんとか家にたどり着く。
風呂にも入らず汚れた服のままベッドに倒れ込むと、泥のように眠る。
時間の感覚も定かではなく、次に気がついた時はもう夕方だった。
ピリリリリ……
遠くから聞こえる軽快な着信音に、顎を枕につけたまま、手探りでベッド脇の子機を取って出る。
「もしもし?」
「土田です。昨夜はずいぶんやんちゃしてくれましたね」
「____!!」
狙いすましたかのような電話。冷ややかな声に、眠っていた頭が一気に覚醒した。
有田は受話器を落とすと、部屋中をひっくり返す。ベッドの下、タンスの裏側、窓のサッシに至るまで。
「……どこにっ…」
昨日着ていたジャケットを洗濯かごからひっぱり出して、襟ぐりや裏地を確認する。
そんな彼の背後に、すうっと誰かが現れる気配。
「盗聴器なんていりませんよ。黒ユニットには俺がいますから」
振り返ると、緑色のゲートにもたれかかって、土田が腕組みしていた。
「おかげでこちらの計画が台無しです」
「……反省はしてる」
「スマイリーを黙らせれば、一週間は白に知られずに動けたんですよ」
「……言葉もねえよ」
力なく項垂れ、ベッドに座り込んだ有田の肩にそっと土田の手が置かれる。
「とにかく、勝手にシナリオを狂わせた責任はとってもらいますよ」
何かしらのペナルティは予想していたが、土田の口から出たのは思っていたより軽いものだった。
「責任をもって、松本ハウスをこちらへ連れてきてください」
一瞬、頭がフリーズする。
「…は?そんだけ?」
「なにか不満でもあるんですか」
「い、いや……」
肩に置かれた手にぎり、と力がこもる。
「上のほうが、今回だけは見逃すことにしたんですよ。あの二人の石は結構使えますしね。
ほら、バイトだって研修期間中はミスしても大目に見てもらえるでしょう。
ただし、自分でやると決めた仕事は最後まで投げ出さない。
これ、社会の常識ですよね」
「ま、まあそうだけどよ…」
「途中で他の白メンバーをねがえ
なんだか腑に落ちない。
目的のためなら法に触れることすら厭わない黒の口から『常識』なんて単語が出た所為か。
「どうしても無理そうなら、これを」
有田の手に、黒い細片が詰まった小瓶が落とされた。
フタを開けてその一片をしげしげと眺める。
「なんだこれ」
「それは、黒の欠片。
言ってみれば、黒ユニットのメンバーだけが使えるドーピング剤といったところですか」
「石の能力をアップさせるってことか?」
「そうです。たとえば発動時間が延びたり、攻撃力が上がったり。
対価の量は変わりませんけど、戦闘にはかなり役立ちますよ。
喉に押しこめばゼリー状に溶けますけど、気持ち悪いようでしたら水で流し込んでもオッケーです」
「……じゃあ、ありがたく使わせてもらうぜ」
「どうぞ。切れたらまた差し上げます」
小瓶をサイドテーブルに置いて、帰ろうとする土田に声をかける。
「なあ。さっきのあれ、黒の幹部からの命令か?」
「ええ。俺はただの伝達係ですから」
「……本当に?」
有田はじっと、土田の澄み切った眼球に映る自分を見つめた。
「はい」
短く返事をすると、土田は壁に作ったゲートの向こう側に消える。
シュウ…と渦を巻き、赤色のゲートが消えてただの壁に戻っていく。
テーブルの上の小瓶の中で、欠片がかすかに光ったような気がした。
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