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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
762
:
Evie
◆XksB4AwhxU
:2015/04/25(土) 21:28:01
「あれ、まだ立てんの?すげえなお前……」
その目が、さっきまでと違う冷たさを孕んでいることに気づき、有田は口をつぐむ。
自分たちの特訓に付き合っていた時とは全く違う、本気の目。
「(あれ、もしかして)」
松本の小指がくいっと持ち上げられる。
ふっと、有田の視界から加賀谷が消えた。
「え」
ややあって、衝撃。遅れて脊髄をつたう焼けるような痛み。
有田の頬に、加賀谷の拳が炸裂していた。
「(なんだよ、特訓の時より全然速えじゃん……)」
その思考を最後に、有田の意識は途切れる。
「有田!!」
勢い良く後ろに吹っ飛んだ有田の体を受け止めようと、上田が両手を伸ばして前へ出て…固まる。
有田の体からピシッ、と何かが割れるような音がしている。能力の対価で下半身が石に変わっていた。
「くそ、有田っ…!」
両手でしっかりと有田を抱え込もうとする。が、とっさの判断としては重い過ちだった。
慌てたせいで手が空を切る。
「しまっ……」
無防備な上田の腹に、有田の頭がめりこむ。
胃をせり上がる圧迫感。反射的に口元を抑えて胃液を吐き出すのをこらえた。
「く゛……ぉ、がっ!」
ジャングルジムにしこたま背中をぶつけて、意識が一瞬遠のく。重なるように倒れた有田をどける体力もない。
呻きながら、苦しげに喘ぐ上田の視界に薄暗いもやがかかる。
「……ま、て……よ、勝ち逃げ……かよ……」
伸ばした手は、二人には届くはずもなく、ぱたりと落ちた。
「……もしもーし……あ、目開いた」
遠くから聞こえる声に、上田はゆっくりと目を開ける。まぶしい光が瞳を刺して、しきりに瞬きをする。
心配そうな表情の警官二人がしゃがみこんで、懐中電灯で倒れている自分たちを照らしていた。
あれだけ派手に暴れたのだから、誰かしら通報しているとは思っていたが、それにしても速すぎる。
「いてっ……」
「ああ、無理しない方がいいですよ。
骨が折れてるかも」
若い方の警官に支えてもらって体を起こす。有田はまだ気絶しているのか、びくともしない。
松本ハウスの二人はとうにいなくなっていたが、モーニングスターでえぐれた地面はそのままだった。
やがて、じっと二人の顔を見ていた中年の警官が言う。
「もしかして……海砂利水魚さん?」
簡単でもいいから変装してこなかったことを後悔する。
若いほうがマジで?と小さくつぶやいた。
「やっぱりそうだ、どっかで見た顔だと思ったけど…海砂利さんでしょ、
こんなとこで何して…ていうか、あの地面はいったい……もごぉっ!!」
上田は弾かれるように飛びかかり、右手で中年の、左手で若い警官の口をふさぐ。
ポケットの中の方解石がじわりと熱くなった。
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