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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
761
:
Evie
◆XksB4AwhxU
:2015/04/25(土) 21:26:50
「“聖職者がモーニングスターをよく使うのは、相手の頭蓋骨を一瞬で叩き割れるので、
返り血を浴びなくていいから”でおなじみ海砂利水魚です!!」
有田が口上を言い終わると、極彩色の光が武器に変わって両手におさまる。
柄に直接繋がったトゲつきの鉄球。いわゆるメイス型に分類される打撃武器、モーニングスターだ。
しかし、持ち手を指でなぞると有田の表情はみるみるうちに曇った。
「どうしたよ」
「見ろよ、これ木製だぜ…俺の石で召喚したモノって必ずどっか違うんだよなあ」
「……じゃあ、壊れるごとに新しい武器出しゃいいだろ」
「おお、さすが上田!」
有田はよっこいしょ、とモーニングスターを構えた。木製とはいえ重いので、振り回しながら走ったりなんて芸当は無理だ。
「(加賀谷が突っ込んできたところを、こいつで叩く)」
唇を下で舐めて、有田はその時を待った。
「おい、ワンちゃん」
松本が背中を叩いても、加賀谷は相変わらず根が生えたように座っている。
ため息をついて、発動のための言霊を放つ。
「ワンちゃん。分からず屋のお友達に、ご挨拶は?」
「……か……かっ……」
半分涙目になりながら、もじもじと立ち上がらない加賀谷に、松本が滅多に出さない怒鳴り声をぶつける。
「ご挨拶は!!」
「かっ……か、が、や、でーすっ!!」
涙を飛ばしながらも、プロの根性でポーズを決めた加賀谷の背中を、海砂利のいる方向に向かって蹴り飛ばす。
関節から伸びた透明な糸が松本の指にからまるのと、有田がモーニングサンを振りかぶるのは同時だった。
「……くっ」
加賀谷はギリギリで体をひねって軌道を避けた。
モーニングサンはシンプルな見た目を裏切る高い破壊力で、鎧の上からでも相手を撲殺出来たという。
木製のおかげで威力は半減しているだろうが、当たればまず無事では済むまい。
「ワンちゃん、引け!」
ぐいっと糸を引き寄せ、有田と距離を取る。
「有田、冷静に行けよ」
背後から上田がアドバイスすると、鬱陶しそうに手を振った。
だが、このモーニングサンは重いせいでゼロ距離でしか効果がない。
「(あー、構造が簡単だからこいつを選んだのはいいけど、
もうちょい強いやつ出しゃよかったな)」
もっと、もっと軽い武器を……
刀?ダメだ、チーター並みの加賀谷のスピードにはついていけない。ピストル?構造が分からない。
「ああ、いいのがあったじゃねえか」
有田は口角を引き攣らせて笑うと、息を大きく吸い込んだ。
「“フレイル型のモーニングスターは、一撃が重くて速いのがメリットだよ”
でお馴染み、海砂利水魚です!!」
両手に握られていたモーニングスターが光を放ち、柄と鎖で繋がった棘つきの星球が地面に沈み込む。
大きく上半身を旋回させて、放つ一撃。
鎖に繋がった星球が地面を切り裂き、進んでいく。
松本はヒュッと息を呑んで、回避するために後ろへ跳んだ。有田が歯を覗かせて笑っているのには気づけずに。
ゴッ……
鈍い音が響く。有田は松本が跳ぶタイミングに合わせて星球を持ち上げ、松本の頭にぶち当てた。
遠心力と体重を込めた一撃は重く、松本の目の前に星がちらつく。
「……っだ、あ……」
こめかみから流れた血が、左目に入って涙のように頬をつたう。
ぬるりとした感触が気持ち悪いのか、松本はジーンズで血を拭った。
「……グゥ……」
地面に伏せた加賀谷も、相方のダメージを察したのか威嚇のような唸り声を上げる。
「……平気、や……こん、ぐらいっ……」
転びかけた体をなんとか支えて、松本も立ち上がった。
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