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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

752Evie ◆XksB4AwhxU:2015/04/19(日) 22:13:29

この二組が石を拾ったのはだいたい1995〜6年ごろと仮定して書いていますが、
まだハッキリと設定が出きってない部分なので、90年代後半ごろと曖昧にしてあります。
書き忘れていましたが筆者はバリバリの関東人なので関西弁はかなり曖昧です。ご容赦ください。
土田さんの能力はPortalのようで想像するのが楽しいです。
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『We fake myself can't run away from there-2-』

【199X年 春】

稽古場に植えたチューリップのつぼみが、桃色に色づいてきた。
松本は如雨露で水をやりながら、自分の娘を見るような心もちでまだ柔らかいつぼみをつつく。
「あー、もうそろそろ咲くなこれ」
「え?うわ、ホントだ……かわいい!」
放っておくとちぎりそうな勢いでつぼみを触る加賀谷を花壇から引っ剥がし、如雨露を床に置く。
今日はひさしぶりの休日だ。前は一体何日前だったか?(考えるのも恐ろしい)
テーブルの上に広げていたネタ帳を閉じると、鞄に放り込んだ。
「ワンちゃん、今日のネタ合わせやめとこか」
「え?で、でも……ライブ明後日なのに?」
「ここんとこ全然寝とらんしな。稽古場まで来て言うのもアレやけど、
 今日はゆっくり昼寝でもしようや」
加賀谷はばんざーいと諸手を挙げて喜ぶ。リュックを枕代わりに床に寝転がると、
あっという間にまぶたが重くなって、心地よい眠気が襲ってくる。
「せや、海砂利は今日何しとんのやろ」
思い出したように松本が呟いた。
やれ特訓に付き合えだの、黒のやつに追われてるから助けに来いだの、無理難題ばかり言ってくる同期のコンビが、
ここ数日、何故か大人しい。
「あの二人も石拾って一年くらい経つから、そろそろ独り立ちってことですよ」
加賀谷の言葉に、少し胸の奥が痛んだ。
「……なーんか、いつもはうっさいって思うとるのに、いざおらんと寂しいなあ」
「……ですねぇ。僕も有田さんがうるさくないと、なんだか調子が狂うんですよ」
「お前よりかはうるさないわ!」
二人であはは、と笑い転げる。
加賀谷はごろん、と寝返りを打って松本に背中を向ける。
「……キックさん」
「ん?」
「……あの二人がどっか遠くに行っちゃっても……それでいいんですよね。
 僕たちずっとボキャ天仲間ですもんね」
大きな背中にそっと触れる。温かい体温とかすかな震えが伝わってきた。
「……せやな。白とか黒とか、わけわからん嫌な事ばっか起きとるけど、
 俺ら芸人やもんな」


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