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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
746
:
low
◆zh23xfyKKs
:2014/05/29(木) 11:22:40
約9年ほど前、こちらに小説を投下させて頂いた者です。
まだ残っていたのが懐かしく時間軸無視の廃棄小説を懲りずに投下させて下さい
湿気が酷くて、髪が思うように収まらない。
そんなことで気分を害すほど髪型に執着は無かった。こんなものは取り敢えずの形だけでも整っていれば気に留めるほどでもない。
そのはずだった。いつも無造作に、メイクさんにでもお任せして、その程度だった。
だけど妙に気になってしまったのは何かを察知していたのかもしれないと、今ならそう思うことが出来る。
『黒』の幹部である設楽は今更だけど、と力なく笑った。
その日は雨が降っていた。朝から振り出した雨は止む事なんて永久に無いかのように降り続けていた。
今週はずっと雨の予報が出ています。そう言った気象予報士の笑顔もその言葉さえも雨が掻き消すかの如く、強く地面に水滴が落ちる音が響いていた。
騒がしいテレビ局内に一人の楽屋は何だか妙にくすぐったくて、いくら売れたと周りに囃し立てられても自分の中で消化できないでいる。
今日、何本目か思い出せない煙草に火を点けながら設楽 統は空に漂う紫煙を目で追っていた。窓から見える空は曇天としか言いようが無く、いつその隙間から雨が降り注いでも可笑しくはない色を見せている。
次の現場に移動する前に降り出しちゃうんだろうな、それも仕方ないか。道が混まなければ良いかな。
愚痴を心の中で煙と共に飲み込んで台本と睨めっこを続ける。しかし、その変化は見逃せないもので突如、目の前の壁に緑のゲートが現れた。そこから白い顔を更に白くした彼が、一人の男に支えられながらも楽屋へ足をゆっくりと運び込む。
彼らの急な来訪には慣れていた。慣れていたがその重々しい空気に異変しか感じ取る事は出来ず、とても騒がしいテレビ局内とは思えないほどに圧迫感を帯びていた。
「ノックも無しに入ってきて悪いな、オサム。緊急事態だ」
白い顔の男をそっと床に下ろしながらゲートの持ち主である土田は目も合わせず、早口に告げた。土田も顔には疲労困憊の文字が透けて見える。
「…何が、あったんだよ?」
恐る恐る聞いてはみるが口の中が嫌に乾いて、しかし手元のコーヒーに口をつけることも叶わず鼓動が早くなっていくのを感じることしか出来なかった。
俯いたまま顔を上げようとしない白い顔の、小林の目には生気がまるで無かった。良い知らせでないことは、この楽屋に連絡もなしに来た事実だけで十分伝わる。それでも、だ。
土田が言葉を選んでいるのか口を開きかけては噤んでを繰り返し、そしてゆっくり息を吐くと目線を合わせてきた。
嗚呼、この人はこんな顔もするんだと、泣きそうな、笑いそうな、溢れかけた感情を抑えた表情に何処か冷静になった気もする。
そんなモノは
「白と全面戦争だ」
この一言で容易に崩れ去ってしまったのだけど。
いつか終わりを迎える日が来たらこんな感じかなと
また以前のように、このスレが盛り上がるのを楽しみに待ってます
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