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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
743
:
名無しさん
:2013/09/25(水) 16:31:54
―黒きつながり―
柴田が吐き出した数個ほどの黒いガラス片のような物体に、小木は見覚えがあった。
半月ほど前だったか、突如自分たちの楽屋を襲った名も知らぬ若手のコンビが、これと似た物を
持っていた。おそらく人を操る力か何かがあると思われる、その黒いガラス片。
今は柴田が吐き出した物は、その時見た奇妙なガラス片と同じ物に間違いないだろう。
おそらく柴田は誰かから騙されるか何かして、この欠片を飲まされていたに違いない。
そしてそれが柴田の異変の原因なのは、ほぼ間違いないだろう。またあの時に聞いた
「黒いユニット」という単語―矢作が狂わされた挙げ句投身自殺を図るまでに追い込まれた
この件にも、今の柴田の異変にも、その「黒いユニット」が関わっているに違いないのだ。
怪訝そうな様子の周囲に、小木は一言告げる。
「わかったよ…柴田がおかしくなった原因が…」
その前日の事、自宅にいた小沢はテーブルに並べられた二つの黒いガラス片のような物体を
じっと眺めていた。先日、赤岡が吐き出したかのガラス片を持ち帰った後、半月ほど前の
おぎやはぎの楽屋で起きた出来事を思い出し、その時に小木から受け取ったガラス片を引っ張り
出してきて照らし合わせて見ていたのだ。
『石を濁らせたり、暴走させるために用いられる物だと聞きました』
『あの子たちのポケットに入ってたの。何にも覚えてないみたいだけどね。人を操る力とかさ、
あるんじゃない?わかんないけど』
赤岡と小木の言葉が脳裏をよぎる。どこか禍々しさを湛えたその二つの欠片は、間違いなく
同じ物だ。あの時―小木から欠片を受け取った時に抱いた何かの前兆のような予感は、
確実に現実となりつつあった。二つの件に共通する「黒いユニット」という単語、そしてそこに
設楽が関わっているという事実―事態は自分が考えていたより遥かに広く、深くなってきて
いる事を、小沢はそれとなく感じ取っていた。
「そういえば…」
ここでふと、井戸田が欠片を手にした時の事を思い出す。彼の首元で急にシトリンが警告を
発するように輝きと熱を持ち始め、井戸田を慌てさせた事。ひょっとしてあれは一種の
拒絶反応なのでは?となれば、この欠片の力を受けつけない石や人間がいるのかも?
欠片の一つをつまみ上げてみる。小沢は今抱いたその仮説を、自分の体で確かめてみようと
考えたのだ。今まで聞いた欠片の力を考えてみれば、それはとてつもなく危険な「実験」なのだが。
小沢はアパタイトを片手に収め、つまみ上げた欠片の一つをおそるおそる口に入れてみた。
口に含んだ途端その欠片はどろりと融けてゼリーのような感触に変わり、同時に猛烈な苦みと
違和感が口内に広がる。さらにその直後、手の中のアパタイトが切れかけの蛍光灯のような
不安定な点滅を始め、同時に胸の奥から突き上げるような、強烈なむかつきと吐き気が起こった。
「ううっ…… ! ! 」
耐えきれず洗面所に駆け込み、洗面台に首を突っ込むようにして激しく咳き込みえずきながら
口内の苦みと違和感の原因を吐き出す。そして肩で息をしながら、洗面台の底でみるみる
ガラス片状に戻っていく得体の知れない物体をぼんやりと眺める。
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