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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
739
:
名無しさん
:2013/09/23(月) 16:34:49
★ここのrossoさんの作品を踏まえて…石は能力スレのこれ↓
ハイパーシーン
持つ者のエネルギーを活性化させ、強い意思と責任感をもたらす真っ黒な石。光の加減で
ピンク色や紫色の美しいシラー効果やキャッツアイ効果が見られる。「欲しい物が手に入る」
という強力なパワーを持つともいわれる。
能力:持ち主を、その欲望の強さに応じた怪物の姿に変身できるようにする。また他者の欲望
の強さを、怪物の形で見る事もできる。周りの者の欲望を取り込む事で強大化する事もできるが、
持ち主自身の欲望が強くなりすぎたりすると欲望に呑まれ、自我を失った暴走状態となり見境なく
暴れ回るおそれがある。
―呑まれし者―
『お前らみんな、食ってやる…』
普段の声とは明らかに違う金属質な声で、芸人だったその化け物は言った。
「ほざくな!くたばりやがれ!」
相手の芸人は石を使おうと構えるが、その化け物は素早く彼の目の前に移動すると
少し高く跳び、彼の顔面に回し蹴りを食らわせた。
「がぁっ!」
悲鳴を上げて体勢を崩した彼の胸倉を、化け物は乱暴にひっつかむと思いきり投げ飛ばした。
投げ飛ばされたその体は整然と並べられたゴミバケツの中に突っ込んでけたたましい音を立て、
ゴミバケツ数個が派手に倒れて転がる。
「なななななんだありゃ…あんなのに敵いっこねえだろ、ここはひとまず逃げ…」
その光景を呆然と見ていた彼の相方は化け物の凄まじい力に恐れをなし逃げようとしたが…
『どこ行くんだよ、逃がさねぇよ?』
「――な… ! ! 」
次の瞬間には目の前に化け物の姿が現れ、彼を思いきり殴り飛ばす。吹っ飛ばされた彼は
相方のすぐ近くに積み上げられた古紙の山に突っ込み、新聞やチラシの切れ端が派手に舞った。
「ぐはぁっ!」
『…弱いよな、お前ら』
そう口にする化け物の顔はギラリと光るガラス玉のような目玉に耳元まで裂けた牙だらけの口と
明らかに人間の物ではないが、ひどく冷酷に笑っているように見えた。
目の前に来たその化け物に、コンビの一方は心臓が凍るほどの恐怖におののきながら言う。
「お、お前の望みはなんだ !? …い、石なら渡すっ ! ! だから命だけは、な、な?ほら、お前も出せっ」
相方に促されてもう一方も一緒に石を差し出そうとするが、化け物は大きく裂けた牙だらけの口を
笑みの形に歪ませて言った。
『…石も欲しいけど…お前らの命も欲しいんだよ。俺って欲張りだからさ』
その言葉と共に猛禽のような鋭い爪を持つ大きな手が二人の手の平にある石を軽く払いのけ、
石は「カラン」と小さく乾いた音を立てて地面に落ちた。
「やめろっ…やめてくれっ!頼むから命だけはああぁぁ ! ! 」
「…ひぃっ… ! ! お願いだ!助けてくれっ ! ! 誰か、誰かあああぁぁぁぁ !!!!! 」
二人は必死に立ち上がりその場から逃げようとするが、恐怖のためか体が言う事を聞かない。
そんな彼らに向けて、化け物は舌なめずりをしつつ嬉しそうに言う。
『さ、お前らの命、いただこうかな?痛くしたらかわいそうだから一撃であの世に送ってやるよ。
これでお前らの石も、欲も、命も、全部俺の物…』
* * *
白の者との戦いで追い詰められた彼の手の中の石が、脈動するようにどす黒く瞬き始め、
やがて黒い光が石全体から湧き出してくる。
「…また…お前か…」
そう返す彼に、光は語りかける。
”ほら、早く俺の力を使え。今追い詰められてるんだろ?”
「嫌だ…またさっきみたいに俺を操って何もかもぶち壊すんだろ?それならこんな力なんか
いらない!さっさと封印してもらった方がましだ!」
”お前がいくら拒んでも無駄だよ、宿主にはできるだけ長持ちしてもらわないと困るんでな。
それに感じたぞ、お前の苦しみから逃れたいという思い、俺を拒絶する思い、その他にも
まだある。それらも元を正せば全部『欲』だ…”
黒い光は一面に広がり、彼に襲いかかる。その光を、彼は必死に拒む。
「嫌だ…嫌だああああ!」
”全ての『欲』は俺の糧となり力となる、お前がいくら拒んでもな。さあ全てを俺に預けるがいい、
いずれお前は俺の思うままに動く、巨大な化け物になるのさ…”
黒い光がどんどん強まり、彼を呑み込んでいく。
「嫌…だ…誰かっ…助け…」
それが最後に発したまともな言葉だった。まるで黒い光に融け込むように意識は遠のき、
彼は自分が自分ではなくなっていく、別の何かが「自分」になっていく感覚を覚えた。
暴走した欲望と石の力は哀れな芸人を深き闇へと連れ去り、その黒い光の中、彼の姿は
人の面影すら微塵も残さない、異形の姿へと変わっていった―。
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