[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
687
:
◆1En86u0G2k
:2011/02/10(木) 14:24:04
「関西方面…」
「もうちょい詳しく聞くつもりやけど。詳細要る?」
「迷惑じゃなければ」
「ええよ」
じゃあ後々ファックスで、いや向こうから手紙で。いっそ鳩にする?すいません僕生き物はちょっと。
抑えた声量のボケ合いに混じった第三者の気配、察したのはほぼ同時だった。
すぐそばで誰かの靴音。こちらへ近づいているのか、次第にはっきりと聞こえてくる。
袋小路めいたつくりの廊下、従って足音の主とすれ違わずには逃げられない。
すばやく視線を交わし、互いの出方を確認する。
「どうしよか」
「じゃあ僕でます」
「ええの」
頷くと同時に前方へ踏み出す。瞬く石の気配を背に、ポケットの中で拳を握り込んだまま足を速める。
コーナーに差し掛かってすぐ、視界に飛び込んできた人物と正面衝突しかける身体を急速反転。
ごめんなさい危なかった、実情と同義の慌てかたで、どうやらうまく取り繕えたようだった。
「こっちだめみたいっすよ。ぼくも適当に歩いてたら行き止まっちゃって…」
いかにもエンカウントを避けて迷いこんでしまった不幸な人見知りを演じながらさりげなく相手を誘導する。
素直に来た道を引き返してくれる背中を安堵の思いで見送り、踵を返すと、
ちょうどドアと床の隙間から物品庫へ逃れたらしい有野が元の形状を取り戻しているところだった。
「大丈夫でした」
「ありがとう、」
「…大丈夫ですか?」
「すんごい埃っぽかった」
ついでにゴミとか吸ってもうてないかなあ、しかめっ面で上着の裾を払う有野が身を隠す寸前、
自分の足元へ影を重ねたことに若林は気付いていた。
「すいません」
波風を立てず回避するベストの選択肢の中へ自分を招こうとしてくれたこと、それにうまく乗れなかったことを詫びれば、
「多分無理やとは思ったけど」
予想の範疇だったのだろう、埃と格闘を続けながら有野が薄い影へ目線を落とす。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板