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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
682
:
◆1En86u0G2k
:2011/02/10(木) 14:19:21
「――なんですか今の!大丈夫ですか!?」
炸裂音を聞きつけたらしいスタッフが、慌てた様子でドアを叩いている。
いちばん近くに立っていた板倉がわずかにドアを開け、すいません大丈夫です、ちょっと打ち合わせで、と応じた。
「打ち合わせって言ったって――」
そんな派手な鳴り物使うんですか、若いADは心配そうに楽屋の中を見回し、やがてある一点に視線を止める。
――沈黙。
正確には噴き出しかけるのを寸前で堪えたので、ゴフ、と妙な息遣いが漏れた。
「大丈夫すから」
念を押すように板倉が言い、鈴木や山本が援護の同意をし、やっと異常なしを承認してもらう。
それとも何か別の意図が含まれていたのか、ADはもうすぐ本番ですんでよろしくお願いします、苦しそうに早口で言うが速いか、
一礼してバタバタと走っていってしまった。
残されるのは安堵の息をつく三人と、楽屋の中央で棒立ちの田中。
その頭はみごと、大先輩による往年の雲上コントを思わせる勢いでチリチリに丸まっていた。
当然のごとく収録の開始は遅れ、田中の頭上に起きた惨事を目にした者はもれなく身体を折り曲げて爆笑した。
説明が面倒だと結論付けたらしい鈴木や山本がフォローを放棄したのにはもちろん、
元凶である板倉までがすっかり他人のふりを決め込んでニヤニヤするばかりなのも腹立たしかったが、
気付けばカメラを持ち込んでいるスタッフが、もしかしたらDVD用の特典映像にするかもしれません、などと言い出したので、
いよいよ怒りの矛先は割れに割れて収拾がつかなくなった。
人知れず両の拳を固く握って田中は誓う。
(一刻もはやく俺の尊厳を取り戻さなきゃ)
可及的すみやかに。
――できれば、予定のワンクール分をすべて録り終える前に。
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