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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
678
:
◆1En86u0G2k
:2011/02/10(木) 14:14:04
「言っても流行語候補まで上ったわけでしょ、ある意味時代の象徴じゃない。
どうする、向こう十年こんな調子でさ、仕事上はそんなこと言ってた時期もありましたねえみたいな状況になってて、
それでも不本意なタイミングでトゥースって叫ばなきゃいけなかったら」
考えただけで本来の、芸人的な意味で震えたくなるアウェー感。
春日は頬に手をやり素直にシミュレーションを展開していたようだったが、やがてその目はなにやら楽しげに細められた。
「向こうさんは求めてないんですよね」
「そりゃあもう、」
「状況の深刻さ抜きで今更それ?って空気になるわけですよね」
「そうそうそう」
「最高じゃないですか」
「ええー?」
下ろした前髪と黒縁の眼鏡、ベストを脱いだ胸を張るどころか猫背ぎみに丸め、
おなじみのキャラクターに関する要素の一切抜けた――よく見ればもみあげはやはりないのだが――
今は地味な青年にしか見えない春日の、不遜な笑みだけが舞台で披露するそれと重なっていた。
「生粋かつ深刻なドMじゃない」
どうやらその表情がキャラではなく性癖に起因することを把握した山里が呆れと尊敬を混合して呟けば、
ウフフ、とこれまた図体に似合わない笑みが返ってくる。
「なんだろう、春日くんの真髄を垣間見た思い」
「果てしないでしょ」
「俗に言う突き抜けた変態ね。こういうのを器の大きさだって誤解されて若林くんが怒るわけだ」
烈火のごとく憤る春日の相方を思い浮かべながら、ふと気付かされる。
俯瞰した一連の騒動が、やはり滑稽でしかないということに。
芸人のキャラやお決まりの台詞は観客を笑わせるために生まれ、磨かれるのであって、石を呼び起こすためのものではない。
運動不足の身体に鞭を打ち、必死で尊厳を削り合い、そうして掴めたものは驚くほど少なかった。
やってられねえぜのポーズを維持するだけで一苦労の現状はまるで毒の沼地。
先を争うように疲弊して、足元を掬われた順にいちばん大事なものを取りこぼしていく。
例えば舞台に穴を開けるとか、貴重なテレビ出演で全力を尽くせないとか、――唯一無二のパートナーを傷付けるとか。
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