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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

674チラリズム:2010/07/30(金) 02:09:33
「チッ、『石』が目覚めたか」
男が舌打ちする。
ジャラ、と何かを取り出して右手に握り込んだ。

「お前らが『向こう』に付かれては困る」

男の手が光る。…光る?
って言うか、目覚めた…って言うた?


そこで俺は小さく、あっ、と息を漏らしていた。

何故今までそう気づかなかったのか、そう結論が出なかったのだろう。

まさか、と思った。
俺らには関係ないと。
そんなもの、俺らのところには来ないだろうと。
こんな戦い関係あらへんと。

正直高を括っていた。

これが…い、『石』?

噂レベルでしか知らなかった異常な状況が目の前に。
何か、ぴかーっと光るとか言うとったような違うような…。


思い返す。

そういえばあの男は俺の背後にいてただけで、俺らとは距離があった。
自力で突き飛ばすなら当然、近寄る必要があるやろ。
けれど近寄ったなら足音か、でなければ気配で分かる。

ならどうやって?


疑問は噂を思い出させた。


噂に寄れば、芸人ひとりにひとつ…もしくは複数、石が手元に来る。
拾ったり、ファンからもらったり、ある日いきなり誰かに渡されたり。
出会い方は様々やけど、必ず石は来る。
その石は、持てば人間では考えられへんような事が出来るようになる。
その石には不思議なチカラが宿っとる。
チカラは人それぞれ違う。傷付けたり治したり、光ったり何か出したり色々な種類がある。
今、芸人は密かに様々な派閥に分かれて、石を奪い合いやったか何かしている。

にわかには信じがたい話やったけどそれでしか状況を理解出来へん。
そうでなければ、この距離で突き飛ばすのは不可能やろ。
そうでなければ、頭の中に入って来る声が説明つかへん。

俺は無意識に理解した。

これが、噂で聞いた『石』の世界なんや、と。


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