したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

653『石』についての一考察  ◆mnuukYXz.2:2010/02/21(日) 00:53:38
お笑いブームで、若手芸人が次々売れていった頃の話だよ。
俺らは若手から抜け出して、中堅って呼ばれるようになっていた。
いつもみたいに収録が終わって着替えてたら、若手芸人の私服のポケットに何かが入ってた。
綺麗な、まるで宝石みたいな石だった。
珍しいこともあるもんだな、って二人で話してたんだけどさ。
数日経って、別の収録の時に今度はまた別の若手が石を拾ったんだ。
それからがすごかった。周りの芸人もどんどん石を見つけるんだ。
拾ったり、譲ってもらったり、バッグの中に入っていたり、方法は様々だけど、どれも綺麗な石なんだ。
スタッフの中に宝石商がいて売れない石でもばらまいてるのか、なんていう噂も立ったよ。

しばらくは何にもなかったよ。
でも、そのうち変な話を聞くようになった。
「若手芸人たちが不思議な力を使って戦っていた」
「不思議な力を使うとき、まるで石が光っているように見えた」
「不思議な力で戦って、もし負けてしまったら石を奪われる」
「石を奪われた芸人は全員この世界を辞めていく」

俺、なんだか怖くなっちゃってさ。
最初に石を見つけた若手とロケで一緒になったとき言ったんだよ。
気をつけろ、って。
ロケが終わった後、あいつと俺は三人組に襲われたんだ。
二人ともぐるぐる巻きにされて脅されたんだ。
「石をよこせ。俺たちは売れたいんだ」って。

もちろん俺は石なんか持ってないからただびくびくしてたんだけどさ、
若手は不思議な力で縄をほどいて、三人組に殴りかかったんだ。
あいつ、よく見たらブレスレットにあの石を組み込んでた。
もう火花は散るわ血が飛ぶわで、とうとう若手は石付きのブレスレットを奪われた。
スタッフが俺たちのことを見つけてくれなかったら俺もどうにかなってたかもな。

その何ヶ月か後、その若手は芸人を辞めた。
俺宛に「ごめんなさい」と他の若手から言伝を聞いた。
それから俺は、この戦いには関わらないと決めた。
……。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板