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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

639 春風はレベル30 ◆1En86u0G2k:2009/07/08(水) 00:18:38


 「なんだったんだろ」

 はじめに首を傾げたのは、テレビ局の廊下に立つ日村だった。
 若林から設楽に変わった電話は、春日から受け取った途端に切れてしまった。
 それぞれの番組終わりに偶然遭遇した面々。飲みにでもいこうという話になって、せっかくならこの場にいない相方にも声をかけようとしていた、まさに絶好のタイミングだったのに。
 「春日もどっか行っちゃうしさあ」
 のんびりしたはじめの応対はどこへやら、通話が切れた途端に血相を変えて走り出したピンク(既に私服に着替えていたからピンクではなかったが)もすでにこの場にいない。
 「設楽さんは電話出ないの?」
 問うたのは偶然の一員、おぎやはぎの矢作である。
 「あいつ電源切れちゃってんのかな、ずっと留守電なんだよね」
 「そっかあ」
 「じゃあとりあえずいる分で行っちゃおうよ」
 続けたのは相方の小木だ。腹減っちゃったもん、いかにも彼らしい切り替えの早さに笑ってから、設楽が捕まったら合流すればいいか、そう気を取り直す。
 「何食う?俺らの食いたいもんでいいよね、早いもの勝ちってことでさ」
 「いんじゃない、どうしよっか」
 先を歩く日村は気付かなかった。
 路上の設楽が若林と静かな争いの末、ある取り決めを成立させていたことも、小木と矢作が目線を交わし、小さく頷きあっていたことも。
 彼が本格的に石を巡る渦へと巻き込まれる日の訪れは、幾人かの芸人の思惑でもって、また少し先延ばしにされた恰好だった。


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