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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
635
:
春風はレベル30
◆1En86u0G2k
:2009/07/08(水) 00:12:56
若林にとってはへえ日村さんと一緒にいたんだ、という、単純な驚きでしかない。
白黒の勢力配置を事細かに覚えているわけではなかったから、もしかして俺たち同時にセッション仕掛けられてたんかい、なんて勘違いが加わるくらいで。
しかし、もうひとりにとっては、そんなフワっとした感想で片付くイレギュラーではなかったらしい。
設楽は日村さん?と戸惑った声で問いかけ、肯定を返されたのだろう、小さく呟いた。
「うそぉ」
その音が若干クリアに耳へ届いて、若林は反射的に顔を上げる。
余裕のある態度は崩れていなかったし、顔色ひとつ変えていなかったけれど、自分の痛覚がなによりの指標だった。見えない鎖で締め付けられるような圧力が、確かに緩んでいる。
それはつまり、不沈たる彼の領域がついに揺らいだという証だ。奇しくも春日の予想外の働きによって。
状況を掌握するには不十分なヒントしか与えられていなかったが、このタイミングがおそらく最初で最後のチャンスなことだけは理解できた。
「…びっくりするでしょ、」
「あ」
意を決して腕を伸ばす。肩を掴む。振り返った設楽がやべ、と、初めて明確に焦りの色を浮かべる。
静電気めいた拒絶反応が指先に走り、それでもそのまま出せるだけの力を込めた。携帯電話が地面に衝突して硬い音をたてる。
ここぞって時にとんでもないことやっちゃうんですよね、フラッシュバックするのはいつか誰かに説明した自分の声や、見当違いに胸を張る相方の姿。
「それがあいつのこわいとこなんです」
慣れない防御から急速反転、残弾をすべて攻撃に充てる。無茶な立ち回りに視界がとうとう白く瞬きだした。
あの気弱な少年ならきっと切羽詰まった顔で叫ぶだろう。
(“フィールド全開ッ”、つって、)
あとはもう、どうにでもなれだ。
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