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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

634 春風はレベル30 ◆1En86u0G2k:2009/07/08(水) 00:11:43

(…くそ、)
(とんだ思い上がりだ)
(なんでちょっとでも、どうにかなるって思ったんだ?)

リダイヤルを辿り、促されるままボタンを押し込む。
活動限界寸前の頭の中、淡々と無機質な呼び出し音が繰り返される。
いっそ留守電に切り替わればいいという願いもむなしく、きっちり3コール目で持ち主が応じてしまった。

『はいはい』
「…………」
『どうした?』
「…………ッ」

どうしたもこうしたも大ピンチです。電話出てどうすんだばかやろう、こっちは頭が割れそうなんだよ。ああ、もう、ほんとに、意味ねえ、全っ然庇えてねえ。
世界の全方位へ向けた腹立たしさと無力感に押さえ込まれて今度は言葉が出ない。若林氏?と繰り返す怪訝な声がふと遠ざかった。設楽が代わりに電話を握ったのだ。
「もしもし春日? あー、俺、設楽です」
『え、 …ああ、はい!お疲れさまです!』
唐突な先輩の登場に、なぜか春日は少しテンションを上げたらしかった。
どうしたんすか?なんて元気よく言っちゃってバカかお前は。おれは一体なんのためにこんな、
「いま若林といっしょなんだけどさぁ、ちょっと春日とも話したいなーっつって、」
『そうなんですか!』
でかい声出すなようるせえな、選択肢なんかねえんだぞ、わかってんのか。わかるわけないか、そういや何にも言ってねえもんな。
食いしばった奥歯にそのまま砕けるのではなかろうかというほどの力を込めた時、春日が不思議なことを口走った。

『すっごいタイミングですね、俺びっくりして』

―――は?
偶然見合わせることになったふたつの表情は、おそらく互いにどういう意味?の疑問符で満ちていただろう。
ぽかんと空いた隙を図らずも突いた恰好になった春日は、ちょうど今話してたんですよ、ほら、とその場にいるらしい誰かに呼びかけている。
バタバタとにぎやかな音が漏れたあと、やがて春日とは別の声が電話から聞こえてきた。

『…おう、設楽?』

聞き覚えのあるその声は確か、まちがいでなければ設楽の相方、バナナマン日村であるはずだった。


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