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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
632
:
春風はレベル30
◆1En86u0G2k
:2009/07/08(水) 00:07:57
「やっぱり若林もこっち系なんだ」
「…みたいですね…」
「うん、だから声かけたんだけどね。“あんまり抵抗しない方がいい”よ?疲れるでしょ」
「……っ、や、だから、お断りします、って、言ったじゃないす、か」
「“頼むってば”。ね?」
「………ぅあ…っ」
慢性的に抱えている偏頭痛を数倍刺々しくしたような痛みだった。熱膨張を起こした右脳、焼けていると錯覚しそうな右手の石。
偏った痛覚につられ、右目だけをきつく閉じて喘ぎに近い呼吸を繰り返す。
攻めるための能力を無理やり防御用に転換しているわけで、しかも自身の能力をほぼ完全に使いこなしている者が相手ともなれば、
(そりゃあ、押されるのは無理もねえ、んだけどっ)
納得はすれど諦めるのは癪だった。目に涙を滲ませながらも必死で見上げれば、設楽は「すっげえつらそうじゃん」などと顔を覗き込んでくる。
この人Sだって話はガチだわ。
内心深く頷いてから、テーブルの上に置かれた手に左手を伸ばそうと試みるも、「あぶねっ」咄嗟に身体を引かれる。
「触られちゃまずいんだったよね?」
大袈裟な首の傾げ方、浮かべた笑みがいつかオンエアで見た春日を追い込む自分と重なる。
―――訂正しよう。この人、ドSだ。
それから設楽はいつもの若干間延びした喋り方で、こちらの気が変わるように色々と優しく働きかけてくれた。もちろん石の力を絡めているので、拒否の意を示すだけでも面白いほど疲弊する。
体感時間にして5時間に及ぶ拷問。実際のところは30分にも満たない会話。
2ストライクから美しくもないスイングでチップし続ける執念に、ピッチャーは仕切り直しの必要有りと判断したらしい。
「そろそろ出よっか」
うつむいて咳き込む若林のつむじを眺めてため息をひとつ。予定より長居しちゃったねえと言いながら設楽が席を立つ。
軽い足取りに倣う。これは屈したせいではない、といいな、ぼんやり思いながら後を追った。
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