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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
631
:
春風はレベル30
◆1En86u0G2k
:2009/07/08(水) 00:05:02
さて。
決裂の意を示してからが本番だった。わざわざ声を掛けられている時点で、わかった残念だなーで済まされるとは思えない。
「たぶん、設楽さんの言うこと、正しいと思うんですよ」
思うんですけども、言葉を返される前に言葉を重ねる。語頭が裏返ったのには無視を決め込む。
間を空ける怖さより主導権を簡単に渡してはいけないという焦燥が先に立った。なにしろ2ターン目は永遠に来ない可能性もある。
「でもおれ、そういうの好きじゃないんです」
断る理由はもうひとつ。目線を上げて一息に言い切る。
「ざっくり言うとムカついちゃうので」
「ははっ」
その選択を選びたくなる状況に追い込んでからの条件提示。攻勢としては大正解だが、だからこそ下手な(一応そういう自覚はあるのだ)意地を張りたくもなる。
白黒どうこうを抜いても失礼だったはずの若林の物言いを、設楽は特に気にしてはいないようだった。
ムカついちゃうかあ、笑いながらコーヒーをひとくち、そういうとこ頑固そうだもんね、と呟いてから。
「いんだ別に、ムカついたまんまでも、全然」
「………!」
「“とりあえず言うこと聞いてもらえればなんでもいいから”さ」
―――来た。
ふたつめの懸念、プラチナが微弱な反応を繰り返していたのはなぜか。
若林の石は持ち主の性質に呼応しているのか、味方より敵の石の発動に対して敏感な反応を示す。
設楽が持つソーダなんとかという名の石の効力は『説得力の爆発的な向上』らしい。物理的な物騒さとは無縁のまま畏れられる存在になり得たのなら、きっとそれを最大限に活用してきたのだろう。
元を正せば電話を受けたときから白金は熱を帯びていた。携帯電話の振動Cに似た断続的な痺れは、自身に対して能力が向けられている知らせ。
足した意味は言わずもがな、その熱量と痺れが、設楽の声をきっかけにガツンと膨れ上がった。
(…やば、っ…!)
咄嗟に右手の拳を固く握る。オレンジ色の六角形を重ねて中空に張るイメージを脳内で展開する。
14歳ではないから可視のフィールドは現れないが、こちらの石も似たような効力だ。問答無用の屈服という、まあ、若干乱暴な仕様ではあるけれども。
相手の心の膝を折らせるための力が衝突し、テーブルの上で軋んだ音を立てた、気がした。
拮抗するかと思えたのはたった数秒。
背中を嫌な汗が伝い、設楽が片眉を上げる。
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