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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

595さよならリグレット ◆1En86u0G2k:2009/01/14(水) 03:12:59

あのくだらない言いがかりはしぶとく記憶に残り、ふとした隙間に浮き上がっては若林を悩ませた。
もちろん石なんか手にした憶えはなかったし、持っていたところでそんな大それた効果を発揮するわけがない。
(裏表紙の広告かっつうの)
けれど、今まで芸人として日々を過ごしてきた中で、そういう話を全く聞かなかったといえば嘘になる。
いい年した大人にしては綿密すぎる遊びのような、妙なルールに基づいた争いの話。
キーワードはどうやらふしぎな石で、少なくともこれまでの自分たちには縁がなかったから、これ幸いと無視していたのだが。
それが通用しなくなるのだろうか。精一杯の努力が、ようやく実りはじめた途端に?
意味わかんねえ。ひとり吐き捨てて、がしがしと家路を急ぐ。
深夜0時を過ぎた街は斬りつけるような寒さだった。
はやく暖かくなればいい。そうしたら原付に乗って、厄介なことは全部振り切ってしまえる気がする。
まだ遠い春を思って進める歩みが、小さな橋にさしかかったところで止まる。
若林は目の前に立ちふさがる青年にまず怪訝な視線を向け、数秒の間を経てそれをはっきりした敵意に変えた。
細くてひょろ長い身体のくせに、前をきちんと留めないのは奴のこだわりなのだろうか。
黒いダウンジャケットが初めて対峙した時と同じように、北風にばさばさと煽られていた。


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