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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

594さよならリグレット ◆1En86u0G2k:2009/01/14(水) 03:12:00

ひとまず若林が数年前の自分に教えてやりたいのは、忙しさで眠れないくらいの日々が近い将来やってくるということだ。
おはようございまーす。覇気のかけらもない挨拶を放って楽屋のドアをくぐる。
後ろからやってくる春日は妙にすっきりした顔をしていて、なんだこいつ、と思う。
「…お前、どんくらい寝た?」
尋ねてから自分と同じくらいだよなあと当たり前のことに思い当たる。
案の定春日は大体お前と同じくらいだろうと答えるので、アドリブ効かねえなほんと、適当に切り捨てておく。
ここもボケるべきなのか?驚いているようだったが、もう無視した。

喜びはあるのだ。やりがいだって感じている。
ただ公転するスピードがこうも違うと、ペース配分を掴むどころではなくなる。
余裕なんかずいぶん前に落としたまま、拾ったという知らせも届いていない。
翻弄されているという表現が的確だとして、たぶんそれは美しくないのだが、毎日はおかまいなしに過ぎ去ってゆく。
やれやれと首を振ってみせる相手はいない。取っ組み合うしか術はない。
まだテレビ向けに整えていない相方の髪についた妙な寝癖を横目に、若林はふと口を開いた。
「…なあ、春日」
お前、あれ、来たか?
続けようとしたその問いを咄嗟に飲み込む。
格好よく言えば愕然としたし、正直な言い回しをすれば己にドン引いていた。
ついこの間、求めた否定を肯定されて安心したばかりなのに。
気にしてるのか、馬鹿馬鹿しい。石があったらなんだってんだよ。
「…や、なんでもないわ、」
向けられた視線を感じたまま、目を伏せた。


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