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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

581元書き手:2008/12/17(水) 08:17:31
つまり、先輩達が語ってくれたように石が光ったりしないし、能力が発動したりしないのだ。
それまで色々試してみたがダメだった。
なぜ光らないのか分からなくて相方に相談したが、解決策は見つからないままだ。

それを知らずにこちらに殴り込んで来ているなら、彼らはおめでたいなと山田は人知れず思った。

「…って言ったら、」
「あぁ?聞こえねぇなぁ」
「嫌だ、って言ったらどうすんねん?」
「…その時は力づくでも奪い取る」

それでも――芸人に対する強い思いの背景と、石に対する少しの嫌悪感がありながらも――石を投げ出さないのは、あるいは投げ出せないのは、相方のせいだった。

髭男爵の執事のひぐち君こと樋口真一郎は、山田が石を手にする前から不思議な石を手にしていた。
そして、かなり早い段階からその能力を引き出していた。
きっとそれは、彼の趣味が石の収集だった事も関わって来ているのだろう。
山田は自分や周囲が石の争いに巻き込まれ無いのをただ祈り、樋口は石の能力を理解すると同時期から、名前も分からないような若手芸人からの被害を受け始めた。

手の平にそれが乗った時点で戦いは始まってしまう。
望むにせよ、望まぬにせよ。
しかし、戦いに巻き込まれる可能性を考えれば、石を手放すのは更に危険である。

石の力で戦いたくは無い。
だが、石で応戦せざるを得ない。
矛盾に板挟みにされてしまう。

それでも。
「芸人なら見境無く襲われるんだよ。」
サラッと樋口は言う。
「だったら、俺が山田君を守ってやるから」

柄にも無い言葉だ。
…それでも。
確かに自分はまだ何も出来ない。
それを守ると樋口が言ったので、そして石を狙う黒の若手を一手に引き受けていたのを知っていたので、
山田はいつか樋口を助けたいと考えていた。
結果、樋口の事を考えると石を投げ出せなくなったのだ。


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