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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
577
:
If,...2
:2008/12/15(月) 23:28:14
570の続きです。
多少おかしなところあるかもしれないけど、
気にしないでくれると嬉しいな。
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2人の間にある時は、まるで止まっているかのように見える。
片桐はこのまま全てが透明になって、
なにもかも夢であってほしいと、思い始めていた。
「あと、ひとつで石が全部集まるんだ。」
小林は同じことをもう一度言った。
くるっと横を向いて高層ビル30階の1室から外を見る。
部屋の蛍光灯は点いていても、外の色とりどりの光は美しかった。
まるで小林の手の上で輝く石のように。
片桐は手をポケットに出し入れして、まるで落ち着かない。
そして、小林の次の言葉を緊張したような面持ちでまっている。
「ねぇ、片桐さん。」
小林は外を見たままで言う。
片桐はぎゅっと眼を瞑った。手は今もなお、せわしない。
左手はぎゅっとにぎり。右手は落ち着かないように動いている。
「石が1人の持ち主のところに集まると、争いはなくなるんだよ。
だから俺が全部持っておくんだ。」
夢見ごこちで小林は語る。
「ちがう…、」
片桐は上ずった声で応じた。
「賢太郎、石持つようになってから変になっちゃったよ…。」
片桐は両手を力なく下げた。
小林は窓を向いていた体ごと、片桐の方を向く。
「変?なにをいってるんだ?」
片桐は弱弱しい口調で続けた。
「なんか、石の力で書いたシナリオで生きてるみたいなんだ…。
そんなのおかしいじゃん…。だって人生にシナリオなんて無いんだから…」
「そんな事はわかっている…、
けれど、上手くいくように有効に使うことは間違ってはいないだろ?」
小林は少し驚いたように返す。
うつむきながら片桐はなおも続ける。
「わかってない!!石集めるのは、自分の石がなくなるのが怖いんでしょ!!
他の人に石を取られないようにしたいんだ!!
本当は!本当は!!成功しない未来が嫌なんだ!!失敗する未来怖いんだ!!」
急な片桐の勢いに小林は少したじろいだ。
「ねぇ、石になんて頼んなくても今まで以上に面白い舞台できるよ…。
新しい脚本書いて、色んなところで、色んな人に見てもらって、そんでまた新しい脚本書いてさ、
賢太郎ならできるよ!おれだって協力するから、もっと頑張るからさぁ…。
もうやめようよぉ…。」
後半は泣きべそになりながら、片桐は一気にぶちまけた。
小林はその言葉をちゃんと聞いてはいたが、意思の変わることはなかった。
「……残念だな。片桐さんなら俺の言う通りにしてくれる思ったんだけど…
早く終わらせたいのにな。」
片桐の唇をかむ音が聞こえるようだった。本当に残念だというように。
小林はあくまで言った。
「その石、頂戴?」
その時、小林の背後でゴソッと物音がした。
バッと振り向くと設楽が目を覚ましたのか、うめいた。
「うぅ、…ぃってぇっ」
その時、片桐の左手の石が輝き、右手から粘土が飛び出した。
小型の粘土ヘリコプターは猛スピードで駆け抜ける。
それは部屋の電灯のスイッチへ衝突した。
部屋の電気が消える。
その瞬間片桐は目を見開いた。
突然の暗闇で視界が安定しない小林は何が起こったのかわからない。
眼を瞑ることで暗闇になれた片桐は目標をあやまた無かった。
またもや片桐の右手から粘土が飛び出す。
「!?」
小林は驚いて咄嗟に振り向いたせいで、手に置いた無数の石が転がる。
二機目の粘土ヘリコプターは床に落ちた小林の石を奪う。
戻った二機目の粘土ヘリコプターを石ごと握り締め、
片桐は駆け出して、ドアを乱暴に閉めた。
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