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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

575 ◆NtDx8/Q0Vg:2008/12/14(日) 20:14:47
誰もいなさそうなのでコソーリ投下。


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 彼らが集まったのはただの番組の一企画で、恐らくは偶然だった。
 だけど、その場にいた全員が、「ああ」と思った。
 ああ、全員同類だ、と。
 しかし思ったが、誰もそんな事はおくびにも出さない。
 田中はぶんぶんと手を振り叫び、山根がそれのとばっちりを喰らい、庄司は笑いながら田中の頭をはたき、岡田は一緒に騒ぎながらも場を和ませ、波田は合いの手を挟みながら間を取り持っていた。

 やがて企画に向けての練習も終わり、各々が各々の場所へ散って行く。その道中。
「山根ぇ。気付いたよな?」
 田中卓志の呼び掛けに、山根良顕は口を真一文字に結んで頷いた。
「全員持ってた。これってヤバいかなあ?」
「ヤバいかも知んない。他の人が『どっち』なのかは解んないけどさ…」
 自分以外の三人―――岡田と庄司と波田がどういう考えの基で石を持ち、動いているのか。
「解んないけど、変に警戒するのもダメだと思う。取り敢えず暫くは情報集めたり、様子見た方が良いと思う。油断はしないでさ」
 うん、と田中が頷いた後、話は続かず、移りもせず、二人はただ無言で廊下を歩いた。
 己と相方の身を守るという準備を、心の中でしっかりと進めながら。

 全員持っとったなあ…と、岡田圭右は廊下を歩きながら天井を仰いだ。
 どないしょう、増田に相談した方がええんかなあ。
 いやいや、と首を振る。
 まだ何かあると決まった訳じゃない。ただ一堂に会した芸人達が全員石を持ってたという、それだけだ。更に言えば、実際に「ハイこれです」と石を見せて貰った訳でもない。全員が石を持ってるというそれ自体、岡田の勘違いかも知れないのだ。
 下手な事言うて、あいつに心配掛けたないしなあ。
 岡田が話せば、ますだおかだの頭脳である増田はまず間違いなく動くだろう。いやその前に、あの四人の名前を聞いただけで笑い飛ばすかも知れない。まさか、あの四人が黒かもやって!? って。
 庄司、田中、山根、波田を順々に思い浮かべる。脳裏に浮かぶ四人は四人共、「岡田さん!」と今にも叫んで飛び付いて来そうな笑顔だ。
 そやそや! あの四人やで!? 人の石取る様な子らか!?
 全体的に緩くのほほんとした面子の所為か危機感も薄く、岡田は彼らを信頼するという選択肢を選んだ。


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