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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
564
:
Phantom in August
◆ekt663D/rE
:2008/01/27(日) 01:52:00
『……構わないよ』
さらりと答える『白い悪意』に、一瞬相手が何を口にしたのか信じられず、その身体の動きは止まった。
その耳に、重ねて発せられる『白い悪意』の言葉が届く。
『そんなにこの芸人が大切なら、この芸人の代わりになる身体と叶えるに値する願いがあるのならば、いつだって替わってやろう』
「っざけんじゃねぇぞ!」
え、どういう事と松丘の頭脳がその言葉の意味を租借して理解しようとするよりも先に、平井が声を荒げ、吠えた。
「つぶやきさんが助かっても次にあんたが誰かを支配しちゃ意味がないでしょうが!」
その支配された人間が第二・第三の『白い悪意』となって他の芸人を襲うだけ。全体で見れば何も変わらない。
『私の存在理由は誰かの願いを叶える事……私はただそれを果たそうとしているだけに過ぎない』
憤慨する平井に対し『白い悪意』は平然と答え、ふと何かを思い出したかのように目を細めた。
『……何なら君達でも構わないのだしね』
「…………っ!」
同時に、ギラリとつぶやきの眉間で石が煌めき、冷ややかかつ全てを見透かすような視線が
二人を順番に射貫いていく。
『どうやらお前ら二人のどちらとも、その歩む道の先は波乱に満ちているようだ。
私に視えるのは少しの期待と手応えと、けれどその先にある絶望と苦難。……どうだ? 私と手を組まないか?
そうすれば邪魔な芸人どもを蹴散らし、運命を修正し、順風満帆実に薔薇色の未来を君達に約束しよう』
「……あンなぁ。目の前でつぶやきさんの無惨な姿見せられといて薔薇色の未来もクソもあるか?」
まるでRPGの悪ボスか何かのように言葉を紡ぐ『白い悪意』を睨み付けて松丘はすかさず言い返した。
今まで10年以上も芸人を続けて着々と積み上げてきた全てが去年のあの秋の日の一瞬に打ち崩された、あの虚脱感と絶望が怖くないと言えば嘘になる。
失った物を取り戻し、更にその先に辿り着くために焦りがないと言っても嘘になる。
けれど。
だからといって、それとこれとは別の話。
こうしてその正体と本性を知ってしまった上でじゃあよろしくお願いしますと『白い悪意』に手を差し出せる筈がない。
「そうですよ、僕らは僕らの力で未来をつかみ取って見せますからっ!」
……あんたはおとなしく封印されろっ!
松丘に同調するように平井も吠え、ダルメシアン・ジャスパーが煌めいて空気が熱を帯びていく。
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