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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
56
:
51
:2005/02/04(金) 19:14:24
気づくと、脇田は控え室の長いすで横になっていた。
「ワッキー…?」
「…宮迫さん」
意識が朦朧としている。
頭は割れるように痛い。
「大丈夫か…?」
「はい、何とか…」
何があったんだ…?いったい、俺はどうしたんだ…?
脇田は必死に自分の記憶を手繰り寄せる。
「ヒデさん…そう、ヒデさんは?!」
脇田は頭痛も忘れて跳ね起きた。
「宮迫さん、ヒデさん知りませんか?!」
「……悪い…ギリギリ間にあわへんかった…」
「間に合わないって…何がですか!!ヒデさんはどうなったんですか?!」
「………俺にもよくわからん。ただ、ヒデは汚れた石と一体化した。
完全に<向こう>の人間になってもうた…」
「一体化って何ですか?!なんで白かったヒデさんの石がいきなり黒くなるんですか?!」
脇田の矢継ぎ早の質問に宮迫が大声を上げる。
「だから、俺にもわからんねん!!」
脇田はビクっとした。それに気づいた宮迫は、再び穏やかな声で語りだした。
「悪い…マジで、詳しいことはわからん…ただ、お前なら、ヒデを助けられるかもしれん。」
「俺なら…?」
戸惑う脇田の前に、宮迫は白く輝く石を差し出した。
「お前の石…カルセドニーや」
「カルセドニー…」
脇田はその石に強く惹きつけられた。
「攻撃や防御はできへんから、実戦では役に立たへん。
けど、重要な力を持っとる。」
「重要な…?」
「暴走した石を、封印したり、浄化したりできるんや。
うまいこと使えば、戦わなくても『黒いユニット』の連中をこっちに呼び戻せるやろ…ヒデも含めて。」
脇田は、宮迫の手の中にあるカルセドニーにじっと目を注いだ。
この石を手に取ったら、俺はいつ終わるとも知れない戦いの中に身をおくことになる。
狙われたりすることもあるだろう。
命の危険だって、あるかもしれない。
でも…
高校のサッカー部の先輩だったヒデさん。
俺をお笑いの世界に導いてくれたヒデさん。
なかなか売れなかったとき、俺を励ましてくれたヒデさん。
俺の大切な相方、ヒデさん…
「…やります。」
そう言って、脇田は宮迫の手の中のカルセドニーをしっかりと握った。
あれ以来、脇田は何度も戦いの場に自分の身を置いた。
同じ仲間だと思っていた芸人たちが、傷つけあい、争いあうのを嫌というほど見せ付けられてきたのだ。
そして、石の暴走から解放された芸人たちのうちの何人かが見せた、脇田に対する困惑の目。
脇田はその視線の意味を理解できずにいた。
しかし、その視線の意味を脇田はある戦いの後で知った。
「ヒデさんに…ヒデに引きずり込まれたんだ…」
名もない若手芸人がぽつりと言った言葉。
脇田は、それで理解した。
ヒデは、芸人たちを黒のユニットに引きずり込む化物と化したのだということを。
脇田は再び、自宅の洗面所の鏡に映る自分の姿を見た。
(ヒデさんは、俺が助けるんだ…)
脇田は強い決意の表情を顔に浮かべ、洗面所を後にした。
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