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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

559BERSERKER of OLIVE ◆NtDx8/Q0Vg:2008/01/20(日) 06:18:19
「うーん。…って言うか、めちゃくちゃなんだよ。寝てても叩き起こすし、すぐはしゃぐし。図体だけでかいガキみたいな感じ」
「はあ」
「何かごめんな、変な話ばっかして。意味解んないでしょ」
「いえ…別に」
「ほんと? 俺ずっと、あー解んねーだろーなーって思いながら喋ってたんだけど、解る?」
「わか…りはしなかったですけど、何となくは」
「何となくでも良いよ。ごめんな」

『戦闘狂』―――と、あの時言い掛けた。
誰もが避けたがる戦いに、楽しいだのつまらないだのそんな価値判断を持ち出すなんて、ただのイカれた戦闘狂だと。
今でもそう思っている。もう汗は流れていないけど、シャツの背中はひんやりと冷たかった。
なのに、今その戦闘狂と横に並んで歩き、交わしているこの会話は何なんだろう。
声も口調も喋り方も全く変わっていないのに、纏う空気一つで、今目の前にいるこの人と、さっき目の前にいたあの人と、同じヒトなのだろうかとさえ思える。
だけど、

「今度また会ったら、そん時は思いっ切り出来たら良いな」

無邪気に弾んだその言葉に、やはり同じヒトなのだと、実感した。










どうしようかと、やはり床を睨みながら男は考えていた。
そこへ、バタバタとガサツな足音が響く。
ごめん遅くなったと頭を掻きながら、待ち人がこちらへやって来た。
待ち人、男の相方はきょろきょろと辺りを窺うと、小声でそっと言う。

「で、どうだった? 行って来たんだろ?」

その目は純粋で、期待に輝いていた。
きっと無事に男が帰って来たから、何か収獲があったと思っているんだろう。
無理もない、この相方はまだ石があれば頂点へ行けると思っている。そして彼は石を持っていない。
男が自分の分の石を奪って来てくれたと思って疑わない。

「俺がさっき聞いた事、そっくり話す。これからどうするかは、お前が決めてくれ」

男の相方はどういう事かとぽかんと口を開けていた。
ああこいつ、何にも知らないんだなあ。そんな相方が少し羨ましくなった。
あんな奇妙な、狂気に近いものを見せられるくらいなら、何も知らないまま、石があれば頂点へ行けると信じていたかった。

そう言えば、と男は自分とは違う男の相方を思い出した。
ついさっきまで喋っていた男の相方。
酷く慌てた様子で、坊主頭のてっぺんまで汗を掻きながら、自分と彼の目の前に現れた。
あの人も彼と同じなのだろうか。それとも自分の相方と同じ様に、何も知らないでいるんだろうか。
知らなければ、その方が良いのかも知れない。
……いや、二人の事を考えるのは止めよう。

男は目の前の相方にどう説明するか。それだけに集中する事にした。


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