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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

548日常のルール  ◆1En86u0G2k:2008/01/17(木) 23:45:16

『―あとは、方法ですね。大部屋に若手集めて、どうやっていっぺんに黒にするつもりなんか…』
柳原の声が霧散する思考を引き止めてくれた。
青田買いと称されたその番組への出演者は、まだテレビに姿を見せたことのない芸人ばかり。石を持ったという噂もほとんどなく、抵抗は受けにくいだろうが、とにかく数が多い。
よくある手として浮かぶのは黒い欠片だが、はいこれ飲んで!で納得してもらえる物体ではない。その後収録が始まるのだから、下手な騒ぎは起こせないはず。
念のため黒側に属する芸人の動きも確認してみたが、その時間帯に現場に姿を現せそうな者は少なかった。
「ちゅうことは、黒の奴に命令された代打…実際に動くんも、スタッフかもしれんな」
『僕もその線を疑ってます。ただ、方法の特定が難しくて…』
うーん、と唸り声が2つ響いたところで、楽屋のドアが不意に開く。
思わず石を握り込んで振り返れば、そこにはきょとんとした顔の相方が立っていた。
「…っくりしたぁ…お前、ノックぐらいせえよ」
「えー、自分の楽屋やのに?」
言いながら置かれたスチール缶が、カタンとテーブルで音を鳴らす。どこ行ったかと思ったらコーヒー買いに行ってたんか、ラベルに書かれた文字を追って小さく納得し――
次の瞬間、電光のようにひとつの可能性が閃いた。
「―柳原、俺ちょっと思いついたわ。相手に気付かれずに、こっそり欠片を飲ます方法…!」
(…なんや最近、こいつに助けられてばっかりやな)
貴重なヒントを増田にもたらしたとは気付かない相方は、隣でのんびり缶を開けにかかっている。


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