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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

524名無しさん:2007/12/10(月) 01:11:03
それはコンクリートの塊だった。右足首からふくらはぎのあたりまで、まるで蛇のように絡み付いている。
顔を上げると、哲夫が手をついていたあたりの壁が不自然に凹んでいる。足に絡み付いたものがビルの壁だったものだとわかるまでそう時間はかからなかった。
引き剥がそうとするが、ビルの壁と変わらない堅さのそれはがっちりと組み付いて離れない。

哲夫は嗜虐的な笑みを浮かべている。その後ろで西田があ、と小さい声をあげて哲夫を呼んだ。
「『教えといたる』、て実際にやってもうたら結局卑怯やん」
「あぁそうやった」
どこまでも呑気な西田のツッコミに、哲夫は刈り込まれた頭を掻いた。


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