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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

513−19歳  ◆rUbBzpyaD6:2007/10/06(土) 00:56:20
「石を咥えたまま人込みをジグザグに駆け抜けていく姿はロナウジーニョのようでした」
庄司は身振り手振りを交えて今日一日にあった出来事を説明する。
「大変でしたよ・・・こりごりです。
 これが終わったら、もう二度と関わらないことをお勧めします」
災難であったろうに冗談を交えて話す二人の言葉を笑いながら聞いていたが、
若干の沈黙の後、靖史は気になっていたことを口にした。

「で、これ、どうやってつかうねん」
と机の上に置かれた、問題の白い石を指差して言う。
石を中心に、四人は顔を見合わせる
「・・・さぁ・・・・?」

「例えばこうやって・・・」ヒデが石を手の中に入れて
「戻れ!」
叫んでみたが何も起こらない。
そして少し恥ずかしい。
「それなら・・・」
と庄司が石を掴んで恭しく相手に渡すそぶりをする
「監督、ウィニングボールです。」
「それはモノボケ」
と笑いながらヒデからツッコミが入る。
すると靖史がその直径4センチくらいはあろうかという白い石をひょいと取り上げて
「ピッコロ大魔王」
と言って口に咥えたので、ヒデと庄司は同時にぶはっと噴出してしまった。
そして靖史の横でその一連の光景を眺める、ものすごく不信そうな少年の目。
「あ、ごめん・・・・」
と謝る靖史から不機嫌な顔のまま、細長い手を伸ばして石を掴むと
そのまま少しだけ上に掲げて
「この錠剤には成人一日の栄養全てが含まれています」
と言った。その順応性の高さと
「大きすぎ!飲めへん!」
という間髪入れない靖史のツッコミのやりとりに、
庄司とヒデは、やはり少年はジュニアで
そしてお互いの相方で兄弟だと改めて感じる。

「ま、とりあえず。壊すか」
と靖史が立ち上がり、どこからかミノとトンカチを持ってきた。
「いいんですか?」
「しゃあないやろ。もっぺん犯人に返して『使ってくれ』って言う訳にもいかへんし
 あ、敷くもん敷くもん」
と台所からまな板を持って来ると、その上に石を置き、丁度真ん中にミノを宛がう。
幸い大きい石なので、安定はしそうだ。
「浩史下がっとけ」
と言ってトンカチを振り上げたその時。

───力が、欲しくはないか・・・・?

地の底から湧きあがるような声が、部屋に響いた。


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