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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
511
:
−19歳
◆rUbBzpyaD6
:2007/10/05(金) 02:44:47
シャー!!!
と声を上げて、ワッキーの手に思い切り齧り付く。
「いて!!」
緩んだその腕をすり抜けて、勢いよくドアノブに飛びつくと、
重みと反動で、ガチャリと音を立ててドアが力なく開いた。
その隙間に身体を滑り込ませ全速力で外に出る。
人の足の間を猛スピードでかいくぐる度、きゃあという声が上から何度も聞こえたが、気にしている余裕は無い。
階段を駆け下り、閉じようとする玄関の自動ドアをぶちやぶる勢いで突っ切る。
外に出ると一目散に南へ向かった。
───石も持たんと不用意にこちらの世界に関わることが、
どんなに危険なことか───
ぐっさんの言葉を思い出す。
彼の言うとおりだ。関わるべきじゃなかった。
自分の手に余るものだと分かった時点で、大人しく身を引くべきだった。
もし本屋にいるその男が、帽子の男と同一人物であったら、不用意に接近することがどれほど危険なことか。
もしその力を発動されてしまったら、石を持っていない自分たちには、何一つ成す術がないのだ。
───早く解決しないと、困るだろうし──
庄司の言葉が頭の中をリフレインする。
大した興味さえもなく巻き込まれた上、そんな親切心で関わっているのに
わけもわからない相手に、どうにかされてしまったら、
そんな悲劇だけは、どうか。
ぐっさんは何か背後に組織があるようなことを言っていた
今なら分かる、その存在と目的の有無はともかく
石を持っていてさえ、組織に入らねば、身を守りきれないほど、危険なのだ。
人ごみを駆け抜けると目的の本屋が見えてきた。
何事もなくあってくれという期待を軽々と裏切り、
視界に庄司と──誰か、が向かい合って言い争っているのが見える。
諭そうとする庄司の声と、まるでそれを聞かない子供のようなわめき声。
そして男の手が自分の胸ポケットに伸びたかと思うと
そこから現れたのは、透き通る白い石。
さぁっ庄司と顔色が変わり、身を翻すようにして逃げだす。その後ろで石が光る
───と思われた瞬間。
に゛ゃあ゛あ゛あ゛
断末魔のような叫び声を上げ、爪と言う爪を出して三毛猫が男に飛び掛った。
その姿は猫というよりも凶暴な野生の獣のそれである。
何が起きたか把握できず、唖然とこちらを見ている庄司に叫ぶ
(逃げろ!!・・・・と言ってもわからないか・・・!)
石を持っている男の手に爪を深々と立て、思い切り引き下ろすと
「ぎゃぁ!!」という声と共に、赤い斑点が飛び散った。
そして、その拍子に石がするりと指を抜け、カン、という音を立てて地面に転がる。
(チャンス!!)
その瞬間を逃さず、猫は石を咥えて一目散に走り出した。
男は驚いて、我を忘れて必死の形相で追ってくる。
当たり前か、これが無くては、この男もただの人間。
今この時だけはこの猫の姿がありがたい
人ごみをすり抜け塀に飛び乗り、都会の裏通りを弾丸のように猫は逃げる。
どうか、今のうちに逃げてくれ、と
繰り返し繰り返し、心の中で願いながら。
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