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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

508−19歳:2007/10/04(木) 00:01:08
俺が間違ってましたほんとうにすみませんでした。
と後悔するまでに五分とかからなかった。
ぐっさんの言っていた言葉の意味と重みを、今俺は痛いほど感じている。

「うわーこの猫オスの三毛猫だぞ」
相方が俺を持ち上げる。自分の胴が伸びるのが分かる。
「何?珍しいの?」
「遺伝子がどうのこうので、滅多にいないんだよ」
「へー、じゃ、高く売れるんじゃない?」
コラァ!と叫びたいがシャー!!としか声は出てこず
しかたないので庄司に猫キックを喰らわせた。
「こらお前庄司になにすんだよ」
ぺしりと額を叩かれる。
「どっからまぎれこんだんだろう」
「てかそれよりヒデさんは?」
おかしいなぁ、と呟いてワッキーが携帯を取り出す。
開いた携帯の上の文字列を見た瞬間、思わず手が出た。

変換機能を使って、自分がヒデだと伝えられれば・・・!

閃きと同時に手が出たことに、自分はずいぶん冷静さを失っていることに気付かされる。
ぱちん。と音がして、携帯のボタンを肉球が叩いた。
「あっはっはこの猫電話かけようとしてるよ」
「カワイイー」
爆笑する二人が今は憎らしい。

落ち着け。落ち着くんだと自分に言い聞かせる。
『俺の力は、バレると解けてしまうんよなぁ』
ぐっさんの言葉が頭の中で反芻する。
自分がヒデだと、いや最低猫じゃないと、こんな猫いないと言葉に出してもらえれば
おそらく自分は戻れるのだ。無理なことじゃない。
「抱く?」
「いや、いい」
そういって断る庄司と目が合った。
そうだ、庄司なら。
昨日今日で不可思議な事件に目の当たりにしている。
最初に少年をジュニア本人と気付いたのもこいつだし
バカは勘が鋭いというのは10年以上こいつに連れ添った品川の揺るがない持論だ。
にゃあ、と鳴いた。
気付いてくれ。何かがおかしいと。
すると庄司のガラス玉のような目がこちらをじっと覗きこんできた。
「この猫さぁ・・・もしかして・・ヒデさん・・・
 ・・・・の猫かなぁ」

「えー?右手がコロコロになればいいって言うくらいの潔癖症が猫なんて飼うかー?」
「どっかで拾ってきたとか。
 今、猫もって帰るための籠とかそういうの買いに行ってるんじゃない?」
「あーそうかも・・あれ?何かこの猫急にぐったりしたぞ。え?泣いてる?」
「お腹すいてるのかな?お弁当の残りとかないかな、煮魚とか」
「煮魚は濃いんじゃね?」
多くは望むまい。多くは望むまいと念仏のように心で唱える。
そういやこいつ品川に化けたぐっさんもスルーしたんだったっけ・・・。
というかワッキーそもそもお前が!!10年以上も連れ添った相方のお前がまず気付かんでどうする!!
俺は気付いたぞ!!!
「あれ?また急に元気になった」
相変わらず気付く様子の無い相方に
俺は思い切り猫パンチを食らわせ続けた。


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