したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

507−19歳:2007/10/03(水) 22:50:45
エレベーターの中で、偶然一緒になったのはワッキーだった。
「庄司、今から仕事?」
「ううん。ヒデさんにちょっと用事、今日はここの楽屋にいるって聞いてたから
 昼過ぎから連絡つかないから来てみたんだけど、もう帰ったのかな?」
足の下から浮くような感覚がして、エレベータが動く。
「いるんじゃないかな。俺も約束してたし」
「ワッキーは?」
「おれも用事。あとネタの打ち合わせ。
 今名古屋からやっと帰ってきたとこなんだわ」
「?昼にヒデさんと会ってたんじゃないの?」
「いいや?何で?」
あれ?と庄司は首を傾げたが、やはり元来物事を深く気にするタイプではない
まぁいいか。後でヒデさんに聞けばとさらりと流して
話題は今日あった出来事へと移っていった。



楽屋のドアをあけると、そこには誰もいなかった。
夕日が窓から差しこみ、静かに椅子や机に長い影を作っている。
けれど確かに誰かがいたらしい、
灰皿の上には、何か大量の紙が燃やされたような跡があり、
椅子の上には上着がかかったままになっている。
「ヒデさん?トイレかな?」
ワッキーが廊下と部屋を交互に覗く。
「荷物はあるよ。携帯も」
とその時、指差した荷物の影で何かが動いた。
「?」
しゃがんで、覗き込む。
パタン、パタン、と右に左に動く、シッポが見えた。
「ワッキー、猫がいる」
「え?マジ?」
荷物の影から姿を現したのはやや大きめの、三毛猫。
その猫はゆっくりと二人の足元までやってきて
恐ろしく悲しげに、にゃあ。と鳴いた
にゃあ、にゃあにゃあにゃあ
と、繰り返し繰り返し、何かを訴えるように。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板