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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
505
:
−19歳
:2007/10/03(水) 22:10:06
「「俺の力は」」
まるで二重音声のように声がだぶる。
「「バレると解けてしまうんよなぁ」」
絵の具が水に溶けるように、目の前の映像が滲んだと思うと、それはすぐに再びかたちを成して
見知った者の姿になった。
「・・・・・ぐっさん・・」
驚きすぎて、それ以上の言葉が出てこない。
目の前にはまるではじめからそうであったかのような堂々とした貫禄で、ぐっさんが座っている。
これは、奇妙な夢の続きじゃないか。
俺はまだ眠っているんじゃないだろうか。
「こんなに早くにバレたんははじめてやけどな」
そうして開いて見せた手の中に、光り輝く玉虫色の・・・・『石』。
眩暈がした。
「・・・ジュニアさんも、ぐっさんが・・・?」
「ジュニアになんかあったんか?」
とぼけているのか、それとも。
「・・・・突然、子供に・・・なりました」
ようやく搾り出せたのはその一言。
特に動じる様子もなく、すんなりと事情を悟った表情で
ぐっさんはゆっくりと顔を横に振った。
「何があったんか詳しくは知らんけど、それは俺と違う。
俺の石の力は『模写』や。自分や他人を見たことあるものに変化させることは出来ても
その人間のまま若返らせたりは出来んわ」
「・・・石。というのは一体何なんです・・」
「もう知ってるやろう?持っていたら力が使えるようになる
まあその力の種類は、人それぞれというか、石それぞれやけどな」
「・・そんなもの、どうやって手に入れるんです・・?」
「手に入れるんと違う。石が人を選んで。人が石を呼ぶんや。
使い方も力も石が教えてくれる
お前もそのうち石に選ばれるかもしれへん。
石に関わる者に巻き込まれるのは、石に呼ばれる前兆や
そしたら俺の言ってる意味が何もかも分かるやろう」
言っている事の部分部分がまるで暗号のようでよくわからない
それ以前に信じたくない。
が、こう目の前でその力を披露されては。
・・・けれど一方で、少しずつ落ち着いてきた自分がいる。
「あの事件に何の関係もないんだったら
何故ワッキーのフリをして俺に接近する必要があるんです
庄司にも。」
「お前らがこんなメールをあっちこっちに送るから。何があったか調査して来いと言われたんや
・・・まぁ、こんなメールを送るくらいやから、まだ何も知らんのやろう
石もまだ持っていないんやろうとは思ったけど」
「誰に」
見えてくる。
「誰に頼まれて、調査しろと」
その後ろに、何か大きな蠢きが。
「しゃべりすぎたかな」
にっ、とおおらかないつもの笑みで、ぐっさんは笑った。
「まぁ銀七出身のよしみや。何も知らんかったって報告しとく。
だから、お前も何も聞かんかったことにして
これ以上は関わるな」
「無理です」
思わずはっきりと返事をした。
これだけ目の前に不可思議なものを並べ立てられて、触れるなというほうが無茶な話だ。
「・・・お前のために言っとるんや。
お前は石を持ってないから。その力がよくわかってない
石も持たんと不用意にこちらの世界に関わることが、
どんなに危険なことか」
「確かに、最初は好奇心で関わったことですが
目の前で被害者が出てるんです。
それをこの状態で突然放置しろと?」
思わず声を荒げた。
すると静かにぐっさんはため息をつき、少しばかり何かを考えているようだった。
そして、微かに、しかたないなぁ、と口元が動いたように見えた。
「・・・ヒデ、すぐにお前は自分が間違ってたって思うことやろうと思う。
でも恨まんとってくれ、それはお前にわかってもらうためやし、 好奇心は猫をも殺すんや
・・・・まぁ、殺すことはない、そこまで酷いことはないけどな」
「?」
その何か暗示めいた言葉に気を取られて、ヒデは気付かないでいた。
ぐっさんの手の中の石が、鈍く、しかし強い光を帯び始めているのを。
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