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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
495
:
−19歳
:2007/10/01(月) 03:51:37
「本当に浩史かもしれへんな・・・」
煙草の煙と一緒に、何かを吐き出すように靖史が言った。
その目はテーブルの向かい側で肉を黙々と食べる少年の様子を、張り付いたように見つめている。
「何故です?」
ヒデが小さい声で訊ねた。
「・・・「帰りたい」って一言も言わへんやろ・・・?」
「・・・・・・ああ・・・・」
ヒデはわかったようなわからないような返事をした。
実際、なんと答えていいのか分からない。
「手の込んだドッキリかもしれませんよ
警備員もグルの
一番考えられるとしたらそれです
だとしたら、どこでバラすのかが問題ですけど」
こそこそと靖史に耳打ちする。
「悪趣味やな」
靖史が苦笑した。
そんな空気を他所に
「デザートも食べる?」
と庄司は隣の少年にメニューを開いて見せている。
黙ってプリンアラモードをを指差す少年を眺めながら、靖史はぐるぐると思考を巡らす。
もしこの少年が本当にジュニアなら
あの数分の間に何があったのか、(そんなことが在り得るのか?)
いや何があったにせよ・・・一体どうしたらいいのか
あの帽子の男は何なのか。
あるいはジュニアが何らかの手段で連れ去られ
この少年を置いていったなら、何の目的でそんなことを?
一体どうやって?犯人は?あの男?
何より、その場合ジュニアの身が無事なのかどうなのか、安否が気にかかる。
・・・・もしただのドッキリなら、
(こんな夜中まで14歳の少年を巻き込んだドッキリ?!)
よくこんなにそっくりな少年をつれてきたなと笑い飛ばしてやろう
「・・・・石。」
ぐるぐると巡る靖史の思考を、ヒデの呟きが止めた。
「なんや石て」
「・・・・いや、最近の噂ですよ。芸人の間で、いろんな石が出回ってるって
それを手にすると何でも不思議な力が手に入ったり、奇妙な現象が起きるとか何とか・・・」
自分でいいながらヒデは苦笑した。
「・・・ただの噂ですよ」
「石。持ってたわ」
と少年が口を開いた。
突然のことで一斉に三人の目線が少年に集中する。
「え?」
視線は斜め前を凝視したまま、少年が呟く。
「今思い出した。石持ってたわあのおっさん」
「誰のこと?」
庄司が尋ねる。
「あの知らん部屋で目が覚めたとき、目の前に白い石持ったオッサンが立っとった。
すぐ出てったけど。それからすぐあとに、こっちのオッサンが来た」
と靖史を指差す。
「最初のオジサンはモニターに映ってた人?」
「・・・・・たぶん・・・」
そこらへんの記憶は曖昧らしい。少年は困った顔でまた考え込んでしまった。
「『石』・・・」
思わず誰と無く呟く・・・石。
噂とはいえ奇妙に引っかかるキーワード。
石の噂。空白の数分。14歳の少年。ジュニア。パズルのように埋まってゆく何か。
一つだけハッキリしたこと。
あの『帽子の男』を探さなければ。
それがおそらく最後のピース。
「プリンアラモードお持ちしましたー!」
空気を読まない店員の声が
困惑の中を清清しく鳴り響いた。
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