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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
493
:
−19歳
:2007/10/01(月) 01:12:45
「あなたに憧れていました」
そういって握手を求めるように手を出してきたのは見も知らぬ男だった。
ジュニアをためらわせたのは突然楽屋に知らない人間が入ってきたという現在の状況ではない。
まるで心酔するような、何か天の上を見るような信者のそれに似た輝きを
その男の瞳の中に感じたからだった。
・・・・帽子を目深に被り、白いシャツにGパンというどこにでもいるいでたちの
少しばかり細い、まだ歳若い男・・・
一歩引く。
ルミネの壁は薄い、叫べば必ず誰かに届く、
今でさえ、舞台の歓声はどよめきと振動をもって伝わってくる。
壁を隔てた、舞台と言う名の別世界から。
「逃げないでください」
絞り出すような声
「あなたに憧れていました
あなたのようになりたいと」
わぁっと言う歓声と拍手が津波のように響く
男の差し出された手の中には白い石。
とたんに爆発のような閃光。
それから後の事は
何も覚えていないと後々ジュニアは話した。
ドン、とぶつかった人がいた。
うつむき加減に歩いていた庄司は、その勢いに軽く跳ね飛ばされたが
ぶつかった男は振り返る様子も無く急ぎ足でルミネの外へと歩いていく
?失礼な奴だな。とは思ったが、元来物事を気にする性格ではない
楽屋の方にあるいていくと、そこには何故だか数人のひとだかり。
そのなかに見知った人間の後ろ頭を見つけた、ヒデさんだ。
「どうしたんですか?」
声を掛けると、少しおかしいような、信じられないというような、微妙な表情をしたまま振り返った
「おお、庄司おはよう」
「おはようございます、何か事故ですか?」
「いや、実はよくわからないんだが・・・」
ほら、と促されるように中を見ろというようなそぶり。
見やると幾人の頭の向こうには開け放されたままの楽屋内、
しきりに何かを話しかけている靖史さんの背中と、
話しかけられている相手は・・・まだ中学生ぐらいの少年。
ふとした拍子に顔を上げたその面差しに思わず息を呑む。
眼も鼻も口もあまりにある人物に似すぎていて。
「ジュニアさん!」
思わず声を上げてしまい、周囲の人間が一斉に振り返る。
慌ててヒデがすみませんというように頭を下げて人だかりの中から庄司をひっぱりだした。
「靖史さんがトイレから帰ってきたら、ジュニアさんがいなくなってあの少年がいたらしい」
「はぁ・・・・ジュニアさんは?」
「館内放送をかけたけど出てこない。」
「・・・・・・・・・結局、何なんですか?俺意味がよく分からないんですけど」
「俺もよくわからない。でもそれが今分かってるすべてで・・・
奇妙なことにあの少年は自分の名前を・・」
とそこまでいいかけたところで、楽屋の方から何かを叩き割る音、と壁に何かがぶつかる派手な破壊音がした。
そして関西なまりの怒声
「だからさっきから言っとうやろうが!!!俺の名前は千原浩史じゃあ!!!!」
すると人ごみの中から弾丸のように飛び出してきたものがある。少年だ。
「待たんかい!!」という靖史の声。
少年は反射的に立ちふさがって止めようとした庄司ともろにぶつかり、縺れ合うようにすっころんだ。
背中をしたたか打ちながらよく人とぶつかる日だと庄司は思った。
「そのまま捕えろ庄司!!」
言われるがままに少年の腰に手を回して動きを封じ捕獲する。
じたばたと逃れようとしながら睨みあげてくるその顔は、正しく若い頃のジュニアで
叩かれたり蹴られたりしながら、庄司はまじまじとその顔を見つめた。
「本当にジュニアさん?」
小首をかしげながら庄司が尋ねる。
「ハァ?」
吐き捨てるような返事。
そのやりとりに思わずヒデが噴出した。
「おいおい庄司・・・いくらなんでも」
「歳は?」
もう一度庄司が尋ねた。真っ直ぐな目で。
見てくれより頑丈そうな男にたじろいだのか、少しだけ少年はおさまり、
それからぶっきらぼうに呟いた
「・・・・・14歳。」
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