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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

440 ◆2dC8hbcvNA:2006/08/20(日) 19:05:28
「つぐなう」
 出来ないなら、日村さんを直せよ。
「……うわぁー!」
 相手が胸に手を翳した。石の光りが漏れて時間の流れが止まり、青黒い空間の中で相手は前のめ
りに倒れた。先程と同じだが小さい音が響く。設楽はソーダライトの光も忘れて日村の元に進む。
立てなかったので這うようにした。
「日村さん」
 倒れてはいるが肩は上下している。だが頭を叩かれたのだ、安心は出来ない。助けを呼ぼうにも
歩く力がなく叫ぶしかなかった。肺が痛いから大音量は望めないにしても。
「もう助けは呼んである」
 知った声だった。正体を探すために辺りを見渡しても姿はなかった。しかし近くにいるのは分か
る、大道具の影に潜んでいるのだろうか。
 彼がそこにいる理由が分からなかった。ここはテレビ局だ、彼はテレビ出演を断り続けている。
ここは使われていないスタジオだ、ただの芸人である彼がここを知っているわけがない。答えは
相手が述べた。
「俺がやったんだ」
 設楽が理解する前に相手の話が始まる。
「俺は最悪の事態を回避するシナリオを書くことが出来る。バナナマンのシナリオを書いた、そう
したらこうするしか方法がなかった」
 紙を捲るような音がする。コントのような声色であるせいか、台本のイメージが浮かぶ。
「でも最良の方法ではない、だから許してくれなくてもいい。本当はもっと残酷だったから」
 息継ぎの間が空く。
「本当は日村さんがその人達みたいにならないといけなかったから」
 設楽は倒れている二人組を見渡し、最後に日村を凝視した。驚くくらいに冷静な頭で考えて言葉
を探した。石が未だに光っているせいかもしれない。


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