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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

436 ◆2dC8hbcvNA:2006/08/20(日) 19:03:44
 廊下は遠くまで続いていて不気味なくらいに人がいなかった。普段ならスタッフが飛び回ってい
るはずなのに足音すらない。
 壁に貼られたポスターを眺めながら進んだ。何か他のことに集中したかったからかもしれない。
プロが作ったポスターは様々な個性に満ちており、見知った芸人の冠番組のポスターもあった。嫉
妬するでもなく喜ぶ。
 誰かと肩がぶつかった。ふらついた設楽は宜しくない目つきで相手を確かめた。年下に見える相
手はひどく疲れた顔をしていて、設楽と数秒間目を合わせてから思いついたように指を鳴らした。
「打ち上げの準備終わったらしいっすよ」
 どうやらスタッフか誰かだったらしい。そうですか、小さく設楽が呟く前に相手が遮った。
「でもその前に何かあるって……ついてきて貰えますか?」
 駄目だしかもしれない。少し調子に乗りすぎたか。気まずそうに頭を撫でる設楽は素直に応じる。
人のいない廊下を互いに無言で進んだ、空気に喉を詰まらせないため、設楽はまたポスターを見続
けた。
 イラストが途切れる。いつの間にか来たことがない場所にいた。サプライズ企画があるのかも、
気楽に捕らえようにもおかしな雰囲気がある。
 第六感が逃げろと告げた。ドッキリとかとは違う冷たさが根拠だった。歩を止めて様子を伺えば
相手が振り返り柔和な表情で微笑んでくる。
 設楽が一歩後ろに下がった。何も考えない逃走本能だったが仇になる。相手が何かを察して手を
伸ばしてきたのだ。逃げるために振り返ったが仲間と思われる男がいる。廊下は一本道だ、部屋に
逃げ込もうにも左右に扉はない。


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