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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

432 ◆2dC8hbcvNA:2006/08/20(日) 19:01:26
 日村にしては珍しい否定的な意見。設楽の警戒心は更に強くなる。さすがの日村もそれを悟った
が、焦れば焦るほどに支離滅裂な意見が増える。娘に返せ、砂場に埋め直せ、強度を確かめるため
にトンカチで叩いてみろ、話題が変わってしまった。
 設楽は状況を一転させるための決定的な言葉を探す。勝手に捲し立てる日村の意見は念仏のよう
に聞き流して考え事に浸る。第一声を発するために口を開いた瞬間、青くて深い光が目の前に広がっ
た間隔があった。
 何を隠してるの?
 外側には発せられなかった言葉のはずが伝わる。日村の思考の中に入ったような、周りが全て黒
い空気に満たされたような、説得だけの空間がそこにはあった。急な変化に対応出来なかった設楽
は息を飲む。日村の手から、記憶に新しい色の光がもれているのが分かった。
「設楽さん」
 設楽以上に驚いた日村が弱い声色で名前を呼ぶ。それはひどく辛そうな顔で、何かを悟っている
ようだった。話を続けなければならない、意を決した設楽は次の言葉を探す。
「バナナマンさん、出番です」
 違う方向から第三者の声がした。ハッとした設楽が声を追えば出演番組のADが息を切らしてい
た。しめた、と言わんばかりに目線を変えた日村はADに対して真面目過ぎる返答をした後に設楽
を促す。そんなことに構っている暇はない、そんな意味が込められている。
 設楽はというと、ただ混在した疑問を整理するため考え込んでいた。先程の空間はイメージだけ
であったとしても、なぜそのようなイメージを一瞬にして作り出したのか。そして言葉を言ってい
ないにも関わらず日村に疑問が伝わった理由は。急に輝いた濃い青の光は何だったのか。恐らく答
えは全て日村が知っているのだろう。仕事が終わったらすぐにでも問いたださなければならない。


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