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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

431 ◆2dC8hbcvNA:2006/08/20(日) 19:00:38
 ピンで仕事をしている日村を待つ。戯れに石を空中に浮かばせてからキャッチする動作を繰り返す。
数分経ってから急にドアが開き、驚いた設楽の手もとが狂った。石が畳の上に転がる。
「お疲れ、日村さん」
 相手が発言するより早く設楽が口を開いた。日村は戯けた表情で首を振ってから、設楽と同じよ
うに脱力しきった体勢で座りこもうとした。不幸にも転がった石の上で、痛みを感じた日村が大げ
さに尻を抑えて飛び上がる。設楽はただ笑う。
「設楽さん、またそういうこと……を」
 楽しそうに咎める日村の表情は一転し、言葉は途切れた。痛みの原因である石を見て固まってし
まっている。元より人の変化を悟りやすい設楽は、その明らかな異常をすかさず感じとった。そし
て軽く尋ねる。
「どしたの?」
 こうすれば全てを教えてくれる。今まで過ごしてきた中で知った法則だった。バナナマンの中で
強いのは設楽であり、日村に嘘は付けないからだ。
「いや、あの、この石どうしたの?」
 案の定日村の口調は途切れ途切れで、冷静になろうとしているのが明らかだった。設楽は太い眉
を一瞬だけ寄せてから朝にあった娘との出来事を話す。
「……で、どうしようかっていう話なんだけど」
 畳に転がったままだった石を一瞥した。黙って聞いていた日村が石を拾い上げる。何かを確かめ
るように凝視してから意見を述べた。
「売っちゃえば?」


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