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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

427423:2006/08/09(水) 12:33:08
「で、俺中心って言うのはどういう事ですかね」
料理を皿に取りながら、板倉が言った。
それを見て上田がちょっと苦い表情をする。
「今で謝るわ。ごめん」
「な、何がですか?」
寒気がとまらない。
猛烈に嫌な予感がする。
そして、その嫌な予感は現実となる。

「じゃーん! お忙しい貴方にプレゼント」
「……!」
彼は持っていた皿を手から落とした。
それもそのはず、無駄にハイテンションなアンタッチャブル山崎が持っていたのは――メイド服。
どこの馬鹿がこんなものもらって喜ぶか、としらけた顔で言う板倉だったが、むしろ逆効果。
「別に喜んでもらうためじゃないですよー。これを着てもらってお仕事をしてもらうだけです」
「…コントでもしろと?」
「そうじゃなくて…まあ簡単に言うと、これを着てスパイをやってもらおうかと」
「スパ…はあ!?」
板倉はもう一度山崎を見る。
彼が持っているのは、どこからどう考えてもメイド服。
はねトび辺りで使うような、わざとらしいもの。
「…これでスパイやったら、目立つだろ」
「大丈夫! 一応、普通のスカートとかも準備してあるから!」
「…………」
怒っている。板倉は明らかに怒っている。
それは誰もが分かった。無言の圧力を放っているし、後ろのコンセントが蒼い火花を散らしているから。
「…何故、俺なんですか」
彼は声を絞り出して、やっとそれだけ言った。
「いやー、街中でアンケートをとったら、君が一番女装が似合うって」
「あ、ちなみにその他にもいたけど、“白”だったのはただ一人――」
「もう、いいです」
板倉は諦めたようにはあ、とため息をつく。
「あー、そうそう」
上田が思い出したように言う。
「一ヶ月くらいやってもらおうと思ってるから。」

その日、街は停電のため暗闇に包まれた。


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